~歯科医院専用ガム~チェアサイド指導とデンタルガムの深~いお話

もしかして、誤解していませんか?デンタルガムのこと。

「単なるシュガーレスガムのことでしょ?」
「口寂しい時のお菓子の代わりじゃない?」
いいえ、それだけではありません。
デンタルガムは歯ブラシや歯磨剤と同じ、予防歯科のセルフケア商品です。

  • 予防歯科に不可欠な「セルフケア」で習慣付けたいこと
  • セルフケアにおける「だ液」というキーワード
  • 「だ液」を出す習慣をセルフケアメニューに取り入れる
  • プロケアとセルフケアが両輪ですすむことでこんなメリットが生まれます
  • デンタルガムに院内指導用がある理由
  • デンタルガムの役割
  • おすすめしたいデンタルガムの主な成分
  • よくある質問
  • だ液チェックシート

  予防歯科に不可欠な「セルフケア」で習慣付けたいこと

予防歯科の実現のために『プロケア』と「セルフケア」が協働作業で進められることが不可欠であることは周知のことですが、
「セルフケア」の指導にどのような方法を提案されていますか?

  • 歯科医院側

    患者さん側に診査結果を
    伝えるだけではなく…

    診査結果に基づいた患者さんそれぞれの
    口腔内リスクに合わせた具体的な予防方法
    提案することが大切。

    プロケアを含むデンタルケア
  • 患者さん側

    診査結果を歯科医院側から
    聞くだけではなく…

    自分の口腔内の状況を知り、
    自分の歯を守るための具体的な予防方法
    実践することが大切。

    セルフケア中心のデンタルケア

ブラッシング指導をはじめとした食事指導はすでに実施していらっしゃることと思いますが、
“だ液の役割や効果と、咀嚼による分泌を習慣づけること”について説明されていますか?

だ液チェックシートを活用して指導にご利用くださいチェックシートダウンロード

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セルフケアにおける「だ液」というキーワード

さまざまな口腔リスクを持つ患者さんにとって「だ液」は共通の重要キーワードといえます。
だ液の役割には自浄作用※1・緩衝作用※2・再石灰化作用などが挙げられますが、なかでもむし歯リスクの高い患者さんに特に有用なのが「刺激性だ液」です。

モノを咀嚼することで分泌される刺激性だ液はモノを咀嚼しない時の「安静時だ液」に比べると酸性に傾いた口内を中性に近づけ歯の脱灰を防ぐ『重炭酸塩』という成分が何と最大60倍※3も多く含まれています。

※1. 自浄作用とは口の中の汚れをだ液によって洗い流しきれいにする作用
※2. 緩衝作用とは酸性の口腔内を中性に戻す作用
※3. 耳下腺にて確認

<参考文献> 1)Edgar M, Dawes C,D’OMullance, 渡部 茂監訳:唾液-歯と口腔の健康-,
Saliva and Oral Health, 第4版. 医歯薬出版, 東京,

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 「だ液」を出す習慣をセルフケアメニューに取り入れる

この刺激性だ液を日々のセルフケアメニューに上手に利用することで口腔内の環境を効果的に整えることができます。
つまり、デンタルガムは単なるシュガーレスで口寂しい時のお菓子の代用品だけではなく、
歯ブラシや歯磨剤と同じデンタルセルフケア用品なのです。

プロケア/定期健診・PMTC・フッ化物塗布予防 セルフケア/歯磨き・デンタルガムの活用 咀嚼による刺激性だ液をたくさん出すことを習慣付けることが大切。 刺激性だ液
この2つのケア(協働作業)の必要性を患者さんに理解してもらうことが大切!
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プロケアとセルフケア(協働作業)が両輪ですすむことでこんなメリットが生まれます

プロケア・セルフケア 治療期間の効率化(時間の短縮)+通院(治療)効果の実感(セルフケアの実践で効果アップに)→患者さんの満足度やQOLもアップ&モチベーションの持続
予防成功!

セルフケアの重要性、ご理解いただけましたか?このようにデンタルガムは、セルフケアに大きな役割を果たす存在なのです!

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デンタルガムに院内指導用がある理由

「噛んでみてどうですか?だ液が出ているのが分かりますよね?」「ほんと!これなら手軽に続けられそう!」

セルフケアに代表されるブラッシング指導時にチェアサイドで患者さんに実際に歯ブラシを口に入れてもらいその正しい使い方を説明し、体得してもらうようにデンタルガムも口腔内リスクとその予防メニューの提案時に実際に噛んでもらい「刺激性だ液を出す」ことを実感してもらうことが大切です。

また、だ液検査後の患者指導にも使えます。click

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デンタルガムの役割-おいしさと健康を考えた歯科専用ガム-

デンタルガムを噛むことでだ液が分泌されclick、口腔内環境を整えることができます。

また、毎食後思うように歯磨きの時間が取れない方でも、手軽に利用していただけます。
「刺激性だ液」clickの分泌を習慣付け、歯の表面の再石灰化を促し、 予防歯科の実現につなげるきっかけとなるのが、デンタルガムなのです。
だから、デンタルガムは毎日のセルフケアに使えます!
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おすすめしたいデンタルガムの主な配合成分

①POs-Ca成分(水溶性カルシウム)、②緑茶エキス(フッ素含有)が、口腔内環境を整えます。

①POs-Ca成分(水溶性カルシウム)の特徴

  • ●唾液に溶けるカルシウムです。
  • ●北海道のジャガイモから調製された植物素材のカルシウムです。
  • ●ミュータンス連鎖球菌のエサにならず、う蝕原性がありません。
  • ●口腔外(試験管内)でのプラーク形成抑制効果があります。
  • ●pH緩衝作用を発揮します。
カルシウムに反応する試薬での実験

ガム2粒を10分間噛んだ時のだ液と噛む前のだ液のカルシウム濃度を比較。
紫色が濃いほど、カルシウムが多く溶けた証拠です。

POs-Ca成分を水に溶かすと…

さまざまな種類のカルシウムを水に溶かすと、他の成分は白く濁っていますが、
POs-Ca成分のリン酸化オリゴ糖Caは透明になります。

他のカルシウム成分が白く濁っているのは、水に溶けにくいからです。POs-Ca成分が水に溶けこんでいるので透明です。
イメージ図 POs-Ca成分のカルシウムは、だ液に溶けやすく、歯の内部まで染み込みやすいので、歯を丈夫で健康にする働きがあります。

②緑茶エキス(フッ素含有)の特徴

  • ●緑茶は多くの食べ物の中で、フッ素が豊富に含まれることが知られています。
  • ●食品由来で、安全です。
カルシウムとフッ化物が共存できる技術
従来技術

フッ化物イオンは化学反応性が高いため、カルシウムイオンと反応して不溶化してしまう。不溶化してしまうと、歯に浸透しにくくなり、スムーズな再石灰化反応が望めない。

新技術

フッ化物 (緑茶エキス由来)は POs-Ca由来のカルシウムとイオ ン化した状態で共存することができるため、歯に浸透しやすく再石 灰化しやすい環境を作り出すことができる。

カルシウムイオン、フッ化物イオン 両イオンがだ液に溶ける!
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よくある質問

噛むタイミングは?

毎食後の口腔内pHが低下したときや、食後に歯磨きができない時などにおすすめします。
(思うように歯磨きの時間が取れない方)

  • ①食事による口腔内pHの変化
  • ②ガムを噛むことによる口腔内のpHの変か

    阿部昌子、玉澤佳純、阿部一彦、高橋信博(2001)
    東北大学大学院歯学研究科研究報告書
    ※飲食の内容によっては、pHが中性まで回復しない場合があります。

毎食後、口腔内pHが低下し、歯からカルシウムが失われ、脱灰が始まります。だから、低下した口腔内pHをいち早く元に戻すことが大切なんだよね。
どのような方におすすめですか?
  • おすすめのケース1だ液量の少ない患者さんへ

    だ液の分泌量はストレスや内服薬の種類によっては影響を受けやすい他、柔らかい食べ物ばかり食べているとどうしても咀嚼回数が減ってきます。噛み応えのある根菜などを食事に加える他、デンタルガムの活用が望まれます。

    ストレス・内服薬・柔らかい食べ物→根菜類・デンタルガム
  • おすすめのケース2だ液検査後の患者さんへ

    だ液検査後の個々の結果によって例えば次のような指導ができます。

    ●だ液分泌量が少ない方

    デンタルガムを噛んで積極的に「刺激性だ液」clickを出しましょう。

    ●だ液分泌量が多い方

    良い状態です。この状態を維持するためにもデンタルガムを噛んで口腔内環境を整えていきましょう。

    ●だ液緩衝能が弱い方

    まずはだ液分泌量を増やす事が大切です。
    特に緩衝作用効果が高い「刺激性だ液」clickを出すためにも積極的にデンタルガムを活用し、口腔内環境を整えていきましょう。

    ●だ液緩衝能が強い方

    良い状態です。
    この状態を維持するためにもデンタルガムを噛んで口腔内環境を整えましょう。

    CAT21 バフ
    ●う蝕活動性が高い方/う蝕原生菌の量が多い方

    う蝕原生菌が作る酸の強さで歯を攻撃する力が強い場合は、フッ化物を最大限利用し、菌数をPMTCclickなどで減少させ、食生活を改善させると同時に、デンタルガムを活用して刺激だ液の分泌を促し、緩衝能力を高めましょう。

    CAT21 テスト・CAT21 ファスト
  • おすすめのケース3初期う蝕における白濁が見られる患者さんへ

    フッ化物利用や経過観察のほか、セルフケアとして、再石灰化に有用な「刺激性だ液」clickの分泌を促すためにも、デンタルガムを活用して口腔内環境を整えていきましょう。

  • おすすめのケース4間食(不規則な食事)の多い方、スポーツ飲料や健康酢飲料を常飲している患者さんへ

    間食(不規則な食事)が多い方や、部活動を頑張っている学生の方、健康志向の方はついついスポーツ飲料や果実飲料(健康酢)を常飲しがちです。
    ちびちび飲みなどで常時口腔内が酸性に傾いていると、酸で直接歯が溶ける酸蝕歯になるリスクがあります。
    それら酸性飲料の常飲癖を指導すると共に、飲んだ後にデンタルガムを噛んで積極的に「刺激性だ液」clickを出して口腔内環境を整えることが大切です。

    スポーツ飲料・健康酢飲料
患者さんにはどのタイミングでおすすめすれば?

チェアーサイドで口腔内状況と唾液の重要性を説明された直後が最適です。
先生の説明を聞きながら、またはそのすぐ後clickに噛んでいただくと、唾液を出す習慣を実感しやすいです。

オーラルケア用品に使われるキシリトールやフッ素とはどのようなものですか?

キシリトールは砂糖などと異なり「むし歯の原因とならない」甘味料としてオーラルケア用品に広く使用されています。
他にもマルチトールやエリスリトールなども、むし歯の原因とならない甘味料です。
その一方で、2015年に医学の科学的根拠を判断する国際NPO「コクラン共同計画」は、キシリトールが「むし歯の原因とならないこと」以上の効果を持ち、むし歯を積極的に予防する効果があるという科学的根拠は不明であるとしています
また、歯科やオーラルケア用品で「フッ素」という成分を耳にします。
正しくは「フッ化物」というもので、むし歯の一歩手前の状態の歯が元の状態に回復 (再石灰化) するのを助け、歯を強くする効果があります。
フッ化物については1930~40年代からむし歯予防の効果について数多くの研究が行なわれ、質の高い科学的根拠が得られています。
今日では、歯科や多くオーラルケア用品にその優れたむし歯予防効果が活用されています。

• Philip Riley et al.“ Xylitol-containing products for preventing dental caries in children and adults”, Cochrane Library, 2015.
http://onlinelibrary.wiley.com/enhanced/doi/10.1002/14651858.CD010743.pub2

サンプル等のご希望は出入りの歯科商店様にお声掛け下さい。

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