口腔機能発達不全症とは「食べる機能」、「話す機能」、「その他の機能」が十分に発達していないか、正常に機能獲得ができておらず、明らかな摂食機能障害の原因疾患がなく、口腔機能の定型発達において個人因子あるいは環境因子に専門的な関与が必要な状態のことをいう。
※「上記以外の問題点」とは口腔機能発達評価マニュアルのステージ別チェックリストの該当する項目がある場合に記入する。
※「上記以外の問題点」とは口腔機能発達評価マニュアルのステージ別チェックリストの該当する項目がある場合に記入する。
チェックリスト1,2の機能Aにおける「食べる機能」、「話す機能」の項目(C)において2つ以上の該当項目があるものを「口腔機能発達不全症」と診断する。なお、離乳完了前においてはC-1~C-9を、離乳完了後においてはC-1~C-6の項目を1つ含むこととする。
機能的因子(口腔習癖や口呼吸、機能的顎偏位など)による歯列・咬合に異常がある。
だ液を飲み込むときに前歯を押している
いつも上下の歯の間に舌をいれている
唇をいつも咬んでいると、上の前歯が前突になり、下の前歯は唇が中に入り込むことによって叢生になりやすい
吸指癖による開咬
同じ向きでうつ伏せ寝が原因と考えられる交叉咬合
これらのように、癖による歯列・かみ合わせの異常はまずは原因の除去を行います。
(舌を前に出さない、唇を咬まない、指を吸わない、うつ伏せで寝ないなど)合わせて、口腔機能の育成のために、口を閉じる、舌の位置を正しいポジションにする指導が必要です。
A:歯列に対して内側に位置する舌の力と、外側に位置する頬からの力のバランスがしっかりとれている状態。
B:舌や頬からの力のバランスが取れていない状態。
図Aのように、それぞれがバランスの取れた場所に位置することにより歯列を維持し、また飲み込むときの舌の位置は上あごを押します。飲み込む瞬間に舌が前歯を押すのは、乳児型嚥下という異常嚥下です。
C:口元は常に閉鎖し、舌の位置も正しい。歯列に対し、余分な力がかかっていない状態。
D:唇が開いたまま、舌は常に低位にあり、嚥下の度に前歯に力がかかっているため、歯牙の位置にも問題を生じている状態。
図Cのような舌の位置にするためのトレーニングを行って、正常な機能育成を促します。
唇の力を(口輪筋)つけるために、風船や吹き戻し、飲み込む際の舌の位置を指導する方法
手を使わずに、膨らませる。唇の力で風船を把持し、鼻呼吸で風船に空気を入れる。
少し離れたところから息を吹く。唇をラッパ型にして目指すところに息を吹くことによって、唇の力をつけ、息の調整を行う。
吹く練習をすることで、話す機能を育てるトレーニングを行う。
咬む・飲み込むという機能に重要なのは唇を閉じることと舌の位置。
ガムトレーニングで楽しく、舌の位置と筋肉の動きを確認しながら、しっかり咬む筋肉を育てましょう。
1回咬んで止まり、右で咬んだか左で咬んだか確認します。同じ側で咬んでいることに気付いたら均等に咬むことを意識します。
ガム表面のザラザラ感が無くなったら、こめかみ付近に手を当てたまま側頭筋の動きが左右均等であることを確認しながら右側で10回しっかり咬みます。
左にガムを移動して同じように10回咬みます。
頬に手を当てたまま、咬筋の動きを確認しながら右側で10回しっかり咬みます。
左にガムを移動して同じように10回咬みます。
ガムを丸めて前歯で10回咬みます。必ず口を閉じて行います。
ガムを丸めて前歯に上唇で押し付けます。
これを5回繰り返します。
ガムを丸めて前歯の裏側のスポットに舌で押し付けます。
いつも舌が上あごに位置するように習慣付けます。これを5回繰り返します。
ガムを丸めてスポットに押し付けたまま唾を飲みこみます。
これを5回繰り返します。(★)
ガムを用いて、飲みこむときの舌の位置を確認しています。
ガムトレーニングを行っていない時も、飲みこむときは舌をこの位置にしましょう。
(★)状態に合わせ、回数を指導してもらいましょう
ガムトレーニングの動画をダウンロードしていただけます。
【医療従事者向け】医療従事者の方へトレーニングや指導のポイントを含め解説しております。
【患者様向け】患者様視聴用の動画です。院内でご利用ください。
偏側咬みの子に左右均等に咬むことを意識してもらった。
トレーニング後
片側で咬んでいない子にガムトレを行った。
永久歯がはえる頃にはしっかり咬むようになった。
舌が嚥下時にいつも前歯を押すので上下前歯がフレアーアウトし前歯に隙間が出来ていた。
ガムの吸い上げ(ガムを上顎に押し付けるトレーニング)を行うと、前歯の隙間もなくなり噛み合わせが安定した。
・リラックス効果による噛みしめ(TCH)の予防
TCHにより13歳でも下顎骨隆起が見られることがある。
右上第一大臼歯にクラック(15歳)
痛みが強く、歯髄処置が必要だった。
・だ液の分泌が増える
・清掃効果がある
土岐 志麻先生
とき歯科(青森県青森市 開業)
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