図1
はじめは半信半疑で使いはじめたスーパーボンドC&Bだったが、今では筆者の臨床に一日たりとも欠かせない接着材料になった。
図2a.〜d.
セラミック修復物の一部を除いては、ほぼ90%までスーパーボンドC&Bで装着している。歯の延命ということを考えれば、インレーやブリッジの場合に特に有効であろう。
図3a.b.
接着ブリッジも、最近はスーパーボンドC&Bを用いることが多くなってきた。b.は正中離開部に移植した歯に対し、クラウンにウイングを付けて歯冠補綴とスプリントを兼ねたもの。
図4a.b.
パーシャルデンチャーの支台歯では、レストシートとガイドプレーンを付与した接着スプリントを装着する。
図5a.b.
コアの装着は、100%スーパーボンドC&Bである。脱落の防止だけでなく、歯根破折の予防にはこれ以外の装着材料は考えられない。
図6a.b.
このような根管形成になるのは、大体が再治療のケースである。こうなると、もうスーパーボンドC&Bに頼るしかない。
図7a.b.
歯根破折の予防のためには、歯根形態に沿った根管形成が重要と考えている。平行性を追求しすぎることは好ましくない。複根歯の場合、迷ったら第一に分割コアを選択する。
図8フルコースの歯髄保存療法。
a.三種混合薬剤を貼付して、齲蝕病巣の無菌化と歯髄の炎症消退をはかる。
b.薬剤を水酸化カルシウムに交換し、デンチンブリッジの形成を促進する。
c.デンチンブリッジを確認し、周囲の軟化象牙質を完全に除去して、スーパーボンドアマルガム法で窩洞を封鎖する。
d.最終修復。齲蝕がこれほど大きくなければ、インレーで十分である。
図9a.b.
フルコースの利点は、露髄面周囲の軟化象牙質が完全に除去できること、窩洞を心置きなく乾燥できることなど、接着に最適の環境が得られる点である。
図10a.〜d.
感染の疑いのない偶発的露髄ならば、スーパーボンドC&Bで直接覆髄を行い、そのまま最終修復に移ることができる。DライナーIIを重ね塗りすれば、スーパーボンドの硬化完了を待たずに次の操作に移っても支障ない。
図11a.b.
三種混合薬剤で歯髄の炎症を消退させた後、デンチンブリッジの形成を待たずに直接覆髄を行う方法もある。a.のように、出血や浸出液が全くなくなっていれば可能だが、壊死に陥りかけている歯髄との鑑別は、慎重にしなければならない。
図12a.b.
最終修復物にポーセレンインレーなどが予定されている場合は、スーパーボンドC&B→DライナーIIと進んだ後、プロテクトライナーFを介して光重合のコンポジットレジンを何層にも分けて盛り上げていく。アマルガム色の透過を避けることができる。
図13a.b.
DライナーIIを用いる接着アマルガム法では、そのまま最終充填物として仕上げ研磨することができる(図10参照)。根分岐部病変に対してGTR法を行った後、齲蝕の処置と歯冠の形態改善を同時に行った例。
図14a.b.
直接覆髄に用いることができるものが、たとえ紙一重でも象牙質を介している歯髄に為害作用を及ぼすはずはない。筆者の支台形成は次第に大胆になってきている。a.は印象時、b.は装着時に仮封冠を外したところ。
図15a.b.
これほど歯髄近くまで切削すると、まれに歯髄充血がみられることもある。このような場合、眼科用のステロイド軟膏を塗布して、ソフトレーザーを照射すると、次回のアポイントまでには炎症は消退する。
図16a.b.
支台形成時に露髄した場合には、非感染・非炎症歯髄であることはほぼ確実だから、直接覆髄で対応する。スーパーボンドC&B→DライナーIIと進んだ後、表面硬化性のよいパラシール(クルツァー)を塗布して光照射する。
図17a.b.
エクストルージョンは、非常に頻繁に行っている。は、インレーやクラウンの装着だけでなく、既存の金属冠への接着にも有用である。
図18
スーパーボンドC&Bの特性を理解するにしたがって、多くの応用が考えられる。
a.根尖切除時の正根充。逆根充の場合はスーパーボンド単独で用いる。
b.術者の切創の保護。シアノアクリレートよりも長持ちする。
c.レジン前装冠の接着性を高める。これもスーパーボンドC&B→DライナーIIと重ね塗りを行う。
d.金属床義歯のリライニング。メタデントを用いる他に、スーパーボンドと加熱重合レジンの同時積層填入も有効である。
図19
冷却したダッペンディッシュを有効に使用するために、このような装置を考案した。高温多湿の時期には、なくてはならないものになっている。
a.最初に考案したスーパーボンドステーション。市販の蓄冷材を3個用いて、冷蔵庫で冷却したダッペンディッシュの結露を防止し、温度上昇を遅らせることができる。
b.コアや1〜2歯の修復物の装着ならば、このミニステーションで十分である。アルミブロック全体をフリーザーで冷却しておき、室温のダッペンディッシュをセットして使用する。
図20a.b.
スーパーボンドC&BとDライナーIIは、TBB−Oを触媒とするとき、はじめて効果を発揮する。BPO−アミン触媒系のレジンとは接触禁忌であり、筆やダッペンディッシュを共用すると、a.のように活性化液が黄変し、効果が激減する。筆者の診療室では、スーパーボンド系のレジンは、b.のようにとりまとめて、誤って他のレジンと混用しないようにしている。