わが街・わが村・わが医院

熊野編/和歌山県中辺路町

「木の国」熊野で8年。
身近で親しまれる
先生をこころがけ、
診療に努めています。

93号('98年 6月掲載 )



田中歯科医院 田中 淳司先生

●1961年(昭和36年)和歌山県白浜町生れ
●1987年(昭和62年)大阪歯科大学卒業
●1988年(昭和63年)医療法人有恵会有沢総合病院歯科に医長として勤務
●1990年(平成 2年)中辺路町で田中歯科医院開業
 社団法人田辺西牟婁歯科医師会理事
 (学術担当)

 中辺路町は4,000人余りが住む農山村です。65歳以上の高齢者が人口の3割を越し、超高齢化が進んでいます。白浜町生まれの私が、この町で開業したのは、平成2年に中辺路町内で開業されていた先生が急逝され、中辺路町が「無歯科医地区」になったからです。町では患者さんの診療環境を整えることが急務になり、役場が後任のドクターを急遽探すことになったのですね。
 当時、私は大阪・枚方市の医療法人有恵会有沢総合病院歯科で医長をしていました。幸いにもモリタの紹介があり、自宅の白浜町にも近いため、中辺路の町長にお会いして開業したいとお話ししたところ、大変喜んでいただけました。開業は、同年の11月です。開業以前から、医療と教育については、都市も地方も差があってはならない。健康と予防の重要性、新しい治療技術の必要性は、田舎でも都会でも変わらない。医療従事者は社会的な使命感をもって診療に携わるべきである、それが私の信念でした。
 開業8年目の今もこころがけているのは、患者さんとの信頼関係づくりです。大切なのは、患者さんと私たちとの心のつながりであり、気さくに話し合える空気です。患者さんを診るというより、私たちがひとりの人間として患者さんと向き合い、分かり合える、そんなつきあい方ができればと日々願っています。アユがとれたら、すぐにもって来てくださる患者さんもいます。嬉しいですね。スタッフは近所に住んでいるので、患者さんはまずスタッフに相談することも多いですね(笑)。
 田辺西牟婁歯科医師会の活動では、「8020運動」を一歩進めた「7020運動」を推進するために、「よい歯のおとしより大集合」を実施し、満70歳以上で20本以上の自分の歯をもっている方を表彰しています。昨年は当院の患者さん10名が特別表彰を受けました。最近はフッ素塗布が功を奏して、子供たちの齲食の罹患率も下がっています。 
 趣味は「空の散歩」です。2年前に自家用小型機免許を取得しました。月に2、3回ですが、長崎、熊本まで飛んだこともあります。
「7020運動」は「8020運動」の第1ハードル。これからも町民のみなさんの健康回復のお手伝いができればと思います。




苔むす山道を一歩一歩
踏みしめれば、
古人の息づかいも聞こえそう。
千年の旅情を漂わせる修行と
信仰の道・熊野小道。

 中辺路町は、紀伊半島の南部にある人口4,161人の山村。果無山脈を源流とする富田川、日置川の清流と渓谷が美しい山里です。基幹道路の国道311号、371号、県道龍神中辺路線、県道平瀬上三栖線が縦横に走ります。
 町名の中辺路は、滝尻から熊野本宮に至る熊野三山への信仰の道・熊野古道「中辺路街道」に由来します。「伊勢へ七度、熊野へ三度」といわれ、平安期から鎌倉期にかけて、難行苦行の道を夥しい参詣者が往来した「蟻の熊野詣」。古道沿いには熊野九十九王子社跡が残り、「スタンプラリー」 も楽しめます。

牛馬童子モニュメント、中辺路の歴史が一目で分かる熊野古道館、箸折峠に鎮座する牛馬童子像、全国名水百選のひとつ野中の清水、栂の茶屋、清姫茶屋や、7月に行われる熊野古道清姫まつりなどが有名。また、来年4月29日から9月19日まで、「南紀熊野体験博 リゾートピアわかやま’99」が「こころにリゾート実感」をテーマに南紀熊野地域16市町村で開催されます。10万人の熊野詣、黒潮マリンスポーツフェスティバル、和歌山国際ジャンボリー、リゾート体験イベント、コンサートなど多彩な催しが行われます。

地図をクリックしてください。

歴史街道・中辺路町および熊野古道のホームページhttp://www.aikis.or.jp/~nakahech/index.htmlにアクセスしてください。
●写真:永野一晃



●先頭へ