はじめに
セラミック修復物は審美性や生体親和性に優れる反面、その製作には熟練した技術や煩雑な技工工程が必要であった。 セレックシステムは、チェアーサイドでセラミックのインレー、アンレー、ラミネートベニアが自動製作でき、1回の通院で審美的な修復が可能なシステムとして、臨床に幅広く応用されている。
セレックシステムは、1985年に発売され、その後1995年に、精度の向上や咬合面形態の付与を可能にした、現在の セレック2
が開発され、現在に至っている。 その後、セレック2でセラミッククラウンが製作できるソフトが開発され、ドイツをはじめヨーロッパ、アメリカで反響を呼んでいるが、この度、日本国内でも発売されることになった。
このソフトにより、セレック2でインレー、アンレー、ラミネートベニアに加え、セラミッククラウンの製作が可能になり、応用範囲の広がりにより、セレック2はさらに使いやすくなり、ますます幅広く臨床に応用されるであろう。
今回、更めてセレック2を紹介するとともに、 クラウンソフト でのセラミッククラウン製作手順を紹介する。
セレック2の特徴
セレック2は、
1. チェアーサイドで短時間にセラミック修復物が製作できる。
(MODインレーの製作時間:窩洞形成後→光学印象(2分)→設計(4分)→ミリング(9分)→研磨調整・セット)
2. 印象材での印象採得に代わり、解像度25ミクロンのセレックカメラで窩洞を撮影する光学印象法を採用。
3. 複雑な技工工程が不要。
4. 自動化が進み簡単操作。
5. 天然歯に近い色調と性質を持ったビタマークIIセラミックブロックを使用。
などの特徴を持っており、患者さんに、
1. 1Dayサービス。
2. 天然歯に近い性質のセラミックによる修復。
3. 比較的支払いやすい治療費の設定。
などの提供が可能となる。
厳しい環境下、患者ニーズを満足させるセレックでの治療は、歯科医院の活性化に役立つシステムと言えよう。
クラウンソフトによる
臼歯部クラウン製作ステップ
クラウンの製作には、Extrapolation、CorrelationI・II、FunctionI・IIの5つの製作モードがあるが、今回は最も操作の簡単なExtrapolationでの製作手順を紹介する。
このモードは推定法といわれ、歯の解剖学的な基本情報を基に形態を設計し、咬頭の位置や高さは両隣在歯のデータにより計算され、クラウンが自動製作される。
製作ステップ
写真1
まず、治療する歯の形成後、セレック2を起動させると、歯列画面が出るので、治療部位を選択(今回は47番歯を選択)する。
写真2
画面で「クラウン」を選択後、「Extrapolation」を選択する。OKをクリックし、次に進む。
写真3
形成歯と両隣在歯にセレックパウダーを塗布した後、セレックカメラで撮影(光学印象)を行い、情報をインプットする。OKをクリックし、次に進む。
写真4
アジャスティング(深度調整)を行った後、トラックボールと入力キーによりボトムライン(窩底ライン)及び両隣在歯の外形線を描記する。
写真5
両隣在歯の関係から、コンタクトポイントとフィッシャーラインの方向が演算され、自動描記される。
写真6
カスプアイコンを開くと、両隣在歯を含めた咬頭の数や位置等が基本情報や両隣在歯の情報により、自動演算され、表示される。製作クラウンの咬頭高さは、両隣在歯の高さを参考に決められる。
写真7
製作するクラウンの外形線(プロキシマルコンタクト)が自動描記される。
写真8
マージナルリッジもコンタクトライン同様に自動描記される。
写真9
フィッシャーラインが自動描記される。
写真10
確認後、フロッピーディスクに記録する。
写真11
ミリングアイコンをクリックすると、製作に必要なセラミックブロックのサイズが指定される。
写真12
指定されたセラミックブロックをセットし、OKをクリックするとミリングが始まる。
写真13
ミリング後、できあがったクラウンは研磨、咬合調整等を行う。
写真14
グレージングやステイニングをすることにより、より審美的な修復が可能になる。光学印象からミリング終了までの所要時間は約20〜25分である。
写真15
クラウンソフトには、クラウンの断面を確認できるクロスセクションモードがあり、カットラインが表示される。ラインを移動させクリックするとウインドウが開く。
写真16
カットされたクラウンの断面。ラインを移動させることにより、あらゆる方向の断面が確認できる。
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