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セレックは、1985年、CAD/CAM(Computer-Aided-Design, Computer-Aided-Manufacturing)応用のチェアーサイドでセラミック修復物を製作するシステムとしてチューリッヒ大学のメルマン教授らとシーメンス社により開発された(図1)。 我が国へは1992年より臨床導入が開始され、私の診療所ではセレックを1993年に導入、その後1995年にセレック2が開発され(図2)、それに伴い新しい器種への変更を行った。 初代のセレックシステムでは切削部がダイヤモンドディスクのみのため(図3)、インレー・アンレー・ラミネートベニアの製作が可能ではあったものの、プレパレーションの段階での制約があり、修復物も比較的単純な形態に留まっていた。 しかし、クライアント自身の眼前でこのシステムについて説明しながら、I.D.(Industrial Designer)よろしくディスプレイ上で設計を行い、セラミック修復物のミリングが始まる頃には、クライアントの表情は感動に満ちてくる。 そして数分間で修復物は削り出され、口腔内に装着され、短時間で高品位の修復が完了してしまう。 クライアントに与えたインパクトは非常に大きなものがあった。 臨床成績は非常に良好で、その成功は優秀な接着性材料(図4〜6)により支えられている。 また、セレックシステムはもう一つの大きな特徴を備えている。それは光学印象法と呼ばれるもので、ヘリウム・ネオン・レーザー光を用い(図7)、窩洞や支台歯等を三角測量法応用のスキャニング計測を行う。 従来、口腔内で長時間、歯科用印象材の硬化を待たなければならなかったのが、苦痛や不快感も殆どなく、簡単に短時間でカメラによる印象採得を行うことが可能になったのである(直接法)(図8)。 修復物を作成するための石こう模型を作ることも不要である。 勿論、従来の印象材を用い、模型を作成し、その模型をスキャニング計測することも可能である(間接法)(図9)。
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| このように画期的な特徴を持つセレックシステムではあったが、より幅広い臨床応用を可能にすべくハード部門の大改良が加えられ、1995年にセレック2として商品化された。 特に良くなった点に絞って述べると、 1)ヘリウム・ネオン・レーザーによるスキャニングの密度を約2倍に増やすことにより、修復物の精度をさらに向上させることができた。 2)切削部にダイアモンドシリンダーが追加され(図10)、プレパレーション段階での制約が殆どなくなった。 また、以上のセレック2のハード部の改良に伴いソフトにも大幅な改良が加えられ、セラミックブロックの複雑な凹部の切削も可能となり、セレック2発売当時は未だ困難であったクラウン、ポストクラウンなどの削り出しが非常に簡単にできるようになった。 インレー、アンレー、ラミネートベニアなどの審美性に関しては、初代セレックの時代から、クライアントを充分満足させて来た実績はあるものの、前歯部、小臼歯部の特に審美性を求められる場合はどうであろうか。 シェードに関してはVitaシェードでA1、A2、A3、A3.5、B3の5色のブロックが用意されている(図11-1・11-2)。 テトラサイクリン着色歯などの特殊なカラー以外は、削り出されたセラミッククラウンにステイン処置を施し対応しているが(図12)、ほぼ満足できる結果を得ている。 金属焼付けポーセレンと比較してみると、マージン周辺の歯肉の色が圧倒的に美しく、当然のこととして金属イオンのアウトフローが全く無いために将来的にもその美しい色が保証される。 それではステイン処置だけではカバーできないテトラサイクリン着色歯や個性的な色調の歯の修復にはどのような対応が可能であろうか。 このような症例にもセレック2は解決策を与えている。スピネール・ブロックと呼ばれるブロックを削り出し、セラミックコーピングを作成し、その上にビタ・インセラムの陶材を焼成すればセラミッククラウンを短時間で完成することができる。 耐火模型を作る必要もなく、通常のインセラムシステムのコーピング部の長時間の加熱処理も不要である。
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