ジュネス・デンタル・クリニック
小菅 一弘
(こすげかずひろ)先生
1963年(S38年) 東京都府中市生まれ
1991年(H3年) 日本大学歯学部卒業
1996年(H8年) 日本大学歯学部大学院修了
1999年(H11年) ジュネス・デンタル・クリニック開業
 去年3月に開業しました。東成瀬村はずっと無歯科医地区でしたので、村で初めての歯科医院ということになります。

 僻地診療にかかわったきっかけは、大学院修了後に、教授から“ぜひ行ってみないか”と薦められて、東京都の離島・新島村の診療所に赴任したことです。村民の診療に携わったのは2年間だけですが、もともと実践的な診療がしたかった私にとっては貴重な体験になりました。その後、沖縄の西表島で歯科医師を募集していましたので、早速応募しましたが、なぜか中止になりました。そんな折りも折り、秋田県が歯科医師を募集している記事を見まして、早速応募したところ快諾していただき、妻と息子と3人いっしょに村に引っ越してきました。それが昨年の2月のことです。

 この1年間で約700人の患者さんが見えましたから、村民5人に1人が来院していることになりますね。私が開業する前は、村の人たちは隣の増田町や十文字町の診療所に出掛けていたようです。でも、人里離れた集落に住むお年寄りや、通 院が困難な人もあり、しかもバスの便も悪かったので、ここに開業できてよかったと思っています。若者達は次々と都会に出てしまい、村の高齢化率は27.2%と高率です。この現実を知ったとき、歯科医師としてなすべき仕事は多い!と実感しました。

 いつも思うことですが、歯科医院が都会に集中し過ぎていますね。私は本当に自分を必要としている人たちのそばで仕事がしたかったのです。この村に来てよかった!と感じるのは、一人でも二人でも患者さんが心から喜んでくれた時ですね。

 冬は3m以上の雪積がありますので、毎朝雪かきが日課です。秋のきのこ狩りも楽しみですし、診療のない休日は庭の畑で汗を流したり、もぎたての野菜をほうばったり・・・・山歩きしていると、村の人が摘みたての山菜を手渡してくれたりします。この村は県内一の酒の消費地ではないかと思える程、老若男女を問わず“左党”ばかり(笑)。唯一困っているのは、方言がまだ分かりにくいことくらいです。でも、気取らない素朴な人柄なので、違和感はありませんね。

 私の信念は一口腔単位で診ることですが、患者さんの状況を理解することも大切と思います。これからも単に“村の歯医者さん”というよりも、患者さんにふさわしい基本的な治療ができる“口腔衛生の管理センター”のような気持ちを、いつまでも忘れずに診療していけたら幸せです。

(新緑萌える栗駒山系の美しい樹林)

東成瀬村は秋田県の東南端に位置し、東は奥羽山脈を境に岩手県、南は宮城県に接しています。総面 積203.6km2のうち93%が山林原野で、人口はおよそ3,500人の山間の村です。昨年は村制100周年を迎えました。
“瀬が鳴る川”成瀬川が村を縦断し、川沿いに21の集落が点在。一年中、冷涼な気候で、村は5カ月間も雪に閉ざされる東北の秘境です。村の木は杉、村の花は山ユリ、村の鳥は山鳥、村の虫はホタル、村の魚はイワナ。
毎年8月に“さわやかなるせ仙人の郷”を合言葉に開かれる「仙人修業」には、24時間の断食、座禅、滝打たれなどの修業に多くの若者が参加・体験します。
「ジュネス栗駒」では、冬のスキーやスノーボード、雪が解ければグレステンスキー、パラグライダーなどのアウトドアスポーツが一年中楽しめます。
「ジュネス栗駒雪まつり」では自作のソリ大会も人気。成瀬川ではカヌーの川下りやマス釣り、「大柳沼自然公園」「須川湖キャンプ場」「ぽよよんの森」ではキャンプ、栗駒山や焼石岳の登山、雲海に浮かぶ鳥海山を望む秘湯・秋田須川温泉の湯治、天正の滝、赤滝、北ノ俣沢の散策など、大自然の魅力が尽きない村です。
撮影●永野 一晃
協力●東成瀬村役場


●東成瀬村の情報は、インターネット http://www.vill.higashinaruse.akita.jp でも入手できます。

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