クラレノリタケデンタルのレジンセメントは大きく2系統に再編された。ひとつはセルフエッチングタイプのプライマーを併用するパナビアV5であり、もう一つはセルフアドヒーシブタイプ(前処理不要型)のSA系である。SA系はさらに、保険診療にも適したコストパフォーマンスの高いSA ルーティングプラス(ハンドミックス)と、最も接着操作が簡便なSA セメントプラス オートミックスに分けられる。これら2系統3製品を使いこなせばあらゆる補綴修復の要求にも対応できる(図1図1)。
3製品すべてには世界的に評価の高いクラレノリタケデンタル純正の高純度接着性モノマーMDPが配合されており、歯質をはじめ補綴材料との強力な接着力を発揮する。パナビアV5では新しく開発されたセルフエッチングプライマーにMDPと新規触媒を配合しており、歯質への接着においてSA系の2倍近いハイスペックな接着性能を誇っている。この点がSA系との比較においてパナビアV5の最も大きな優位性になっている。一方、SA系はMDPを新技術によりレジンペーストに高濃度に配合したことで、歯質、金属、ジルコニアにプライマーなしで安定した接着を得ることができ、術者だけでなく治療を受ける側にとってもやさしいセメンテーションが行えるように設計されている。