根管長測定機能に独自の高周波通電機能を追加した「ルートZX3」。多くの歯科医師が苦手と感じる根管治療が「ルートZX3」を使いこなすことでどう変わるのか。
『デンタルマガジン』195号に掲載の“Dental Talk”では掲載できなかった内容を大幅に加筆し、拡大版としてご紹介いたします。
ルートZX3を使用した根管治療に関して、今回対談いただた3名
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富永 敏彦
徳島県鳴門市
医療法人とみなが歯科医院 理事長 -
菅谷 勉
北海道大学 大学院歯学研究院
難治性歯内・歯周疾患治療学分野 特任教授 -
加藤 真悟
大阪府大阪市
医療法人湧光会 アスヒカル歯科 理事長
Part.1
「ルートZX3」の開発経緯と応用メリット
富永先生と菅谷先生は「ルートZX3」の開発に携わっておられますが、その経緯についてお話いただけますか
当院では1990年代の後半頃から根管治療に注力してきました。その当時、新たなNiTiファイルが毎年のように上市され、様々なファイルを使ってきました。ところが、どんなファイルを使っても治癒に至らない症例が一定数存在しました。そこで、試しに電気メスを抜髄に応用してみたところ、予想以上に予後が良かったんです。この経験をヒントに何とか新しい器械を開発できないかということで、2006年からモリタ製作所と研究を始めたのが「ルートZX3」開発のきっかけで、2011年から、菅谷先生と共同で研究させていただいています。
電気メスを抜髄に応用する発想は、実は100年近く前からありましたが、根管処置用のファイルに高周波電流を通電させてファイル先端の歯髄を焼灼する発想のもとでしか使われてきませんでした。ところが、根管内に高周波電流を通電させると根尖狭窄部でも発熱するんですね。この原理を根管治療に応用できればファイルが届かない部位の処置が可能になります。今まで非常に難しいとされてきた根管治療のハードルを下げられるという視点から、これまで研究を積み重ねてきました。
電気メスの場合、歯肉を切開するときにはメスの先端周囲に生じる熱だけを利用しますが、根管内に使用する場合は根尖狭窄部に発生する熱も活用します。その特徴を根管治療に応用しようという発想です。
なるほど、初めて伺うお話ばかりで大変興味深く拝聴しました。
根管治療で悩んでおられる先生の多くは、治らない原因が推測できていないことが原因のように思います。さらにその状況のまま根管洗浄と貼薬を繰り返して、「なぜ治らないんだろう」と自問自答を繰り返しておられる。そういう先生方がいちばん知りたいのは、「ルートZX3」を使うことで、そうした症例が治るのかどうかではないでしょうか。結論からお伝えすると、そうした“治らない症例”にも「ルートZX3」はとても有効です。抜髄後に痛みが続いたり、感染根管で根尖に穿通できたのに瘻孔がなかなか消えない理由として、作業長が間違っている、あるいは根管、特に根尖の形態が壊れているなど、様々な原因が考えられます。しかし、そうした原因が特定できていなくても「ルートZX3」を使うことで、治癒が期待できるところが利点の一つです。高周波電流は全ての部位に流れていくので、複数の原因があったとしても、通電させることで解決してくれる。そういう可能性を期待させるツールと言えるでしょう。
加藤先生はなぜ「ルートZX3」を導入されたのでしょう
当院は若い勤務医が多いのですが、最初から根管治療が好きという先生はほぼ皆無です。ただ、そういう先生たちにも今後積極的に根管治療に介入してほしいという思いがありました。そして介入するからには、治療のクオリティーは少しでも高く、治療時間は短くという要望も、もちろんありました。そこで、その達成のために「何かいいツールはないか」とずっと探していた時に、「ルートZX3」が発売されたのを知り、パンフレットを取り寄せて検討しました。このツールを使うことで、来院していただくたびに穿通にトライしなければならない状況をなんとか減らしていきたい。そのために、勤務医に使ってもらう前にまず自分で使ってみようというのが導入のきっかけです。
実際に「ルートZX3」を導入されて、その後いかがでしたか。
納品を待つ間にいろいろ勉強しておこうと、徳島で開催されていた歯内療法学会に参加して講演を聴講しました。そこで、想定したよりもはるかに幅広いケースに対して「ルートZX3」が有用であることを知りました。ただ、納品後使用するまでに心理的なハードルがあって、1, 2か月は使用できない時期がありましたね。
心理的なハードルとはどんなものだったのでしょう。
最初に高周波通電を行う際は、根尖孔から歯冠側に3mmの位置が推奨されるといった通法を正確に記憶していなかったので、最初少し躊躇したのです。その後、モリタのWebサイトなどを確認しながら徐々に使い始めました。最初にトライしたのはなかなか穿通できない石灰化根管のケースでした。処置時間があまり取れなかったので、通電だけを行い、洗浄後仮封してお帰りいただきましたが、次回来院時にはサイナストラクト(瘻孔)は消失していて、「これはとても使えるな」と感じて、それ以降使用頻度がますます上がっていきました。従来、石灰化根管の場合、あきらめてすぐ根管充填を行ったと思いますが、逆に粘って高周波通電を数回チャレンジしてみようというケースが増えました。
治らない場合は基本的には外科治療ですか。
はい。洗浄や超音波で治らなければ、外科治療にという考えが強かったですね。
高周波通電による根管治療によって、あきらめずに治癒に導けるケースはどの程度増えましたか。
かなり増えたと思います。何より患者さんに「一度高周波通電を試してみましょう」とお声がけできるようになったことが大きいですね。その結果、穿通できて通常の根管治療によって治癒に向かう方も多いですし、根尖孔が広がってしまったケースでも、高周波通電で根管内薬液などを突沸させることで、治ってくる方もいらっしゃいます。外科治療に進む前にこうしたチャレンジができるのは、患者さんと術者にとって、「できることはやりきった」というある種の達成感を共有できると感じています。
多くの先生方は、加藤先生のようなプロセスで、高周波通電を応用した根管治療に入っていくことが多いと思いますが、根尖に病変が認められる場合は、拡大形成だけではなかなか治らないので、まずは通電させてみる方が効果は高いと思います。
通電させることによるデメリットはありません。根管治療がトラブルに発展してしまうとかなり大変ですから、通電させることが私たち術者の身を守るすべになってくると思います。
根管治療を始める際に、まずは通電させてからスタートしていくという習慣付けですね。
そうですね。いずれにしても根管長を測る際にフットスイッチを踏むだけですから、通電に要する手間はほとんどないと思います。
「ルートZX3」の応用方法と効果を実感しやすい症例
ここで具体的な「ルートZX3」の応用の流れについて、お聞かせください
根管内に電流を流すと2つの機序で発熱が起こります。1つは、電極先端で薬液あるいは組織に電流が流れていくときに、接触抵抗により発熱する現象。もう1つは、電流が根尖に向かって流れていく時に根尖狭窄部や根尖分岐など、径が細くなって狭窄している部分に電流が集中して熱が発生する現象です。「ルートZX3」では、この2つの発熱を利用するのですが、その現象をいかにバランス良く使うか、それがこの治療法の最大のポイントです。抜髄根管の場合、根尖から3mmアンダーのいわゆるアピカルデルタと言われる部分をいかに処理するか、それに尽きると思います。それより上部であれば、他の器具などでも取れるわけですから問題ありません。主にファイル破折などが発生するのは、器具が届かない“根尖端から3mmアンダーの部分”です。その部分の歯髄や汚染物質を蒸散させて根管充填できれば、外科的なアプローチを必要としないベストな方法だと思います。
抜髄の方法については、私の場合、通電前にX線写真をもとに、根尖より概ね5㎜歯冠側の部分で歯髄を切断します。熱を効率的に組織に伝えるために、組織量を減らすことが目的です。その後、出血するケースが多いので、根尖からおよそ3mm歯冠側の距離を測って、その辺りで2〜3回通電して止血させます。次に、EMRを行い、根尖孔までの距離を正確に測って、そこから1mm歯冠側に引いて、確実な根尖部の蒸散・焼灼を行うために、さらに通電します。その後、通法に従い根管拡大を行うという流れです。
「ルートZX3」の効果を実感しやすい症例としては、どんなケースがあるでしょう
効果をもっとも実感しやすいのは、抜髄根管です。根尖孔を穿通できない場合や根管長が曖昧なケースでは、「ルートZX3」を使うことで次回来院時に症状が出る確率が大幅に減少しますから、とても分かりやすいと思います。さらには、感染根管でなかなか瘻孔や腫脹が消えない場合に通電させると、次回来院時には消失している場合が多いので、そちらも分かりやすいですね。
「ルートZX3」を使用すると、術後痛が出にくい理由を勤務医に教えたいのですが、「歯髄を残さず焼灼できるから」という説明で合っていますか。
それは少し違います。歯髄が残らないのではなくて、根尖狭窄部で発熱することで歯髄が切断されるからです。例えば、電気メスは刃の先端が発熱して切れるわけではありません。刃の先端の金属の周囲に電流が流れて組織内に通電していくわけですが、電極に近い部分は電流密度が最も高く、その部分の組織内の水分が一気に蒸発して瞬間的に組織を切断するのです。「ルートZX3」の高周波通電の場合も、根尖狭窄部で同じことが起こって蒸散します。つまり、通電することによって狭窄している部位の組織が瞬間的に蒸散して消滅した結果、切断される。それがファイルが通らないような細い部分や側枝でも自動的に行えていて、かつ広範囲に電流が拡散され歯根膜には障害が出ないんですよ。狭窄部の歯髄だけが消滅するので、それより上の部分は自然に失活することになります。ところが、根尖狭窄部や根尖孔までファイルで形成しようとすると、歯根膜まで損傷してしまい、その結果打診痛が出やすくなります。したがって、とにかく通電させておけば、根尖狭窄部を懸命に拡大する必要はないんです。
皆さん穿通させなければいけないと懸命にトライすることで、根尖をいじめすぎているんですよ。それが結果的に歯髄を取っているのか、根尖を破壊しているのか分からない状態になってしまっているんです。本来は、アピカルデルタを触らずに処置するのが最も好ましいと思います。
ただ、近年のEMR(根管長測定)の原理から言えば、ファイルが歯根膜まで届かないと正確には根管長は測れませんから、ファイルは先端まで入れたいところですが、根尖検出用の細いファイルにとどめ、その後は積極的にその部分を拡大する必要性はないということですね。
抜髄根管の症例動画解説
(提供:富永敏彦先生)
ー 以下、動画症例解説
この動画は、高周波通電を併用した左上1の抜髄症例です。根尖から約5mm歯冠側の位置で断髄を行ったところ、出血が確認されました。まずX線写真を参考に、根尖から約3mm歯冠側の位置で通電を行います。すると突沸が起こり、この時点で止血できます。ここでEMRを実施し、そのEMRの結果に基づき、根尖孔から正確に1mm歯冠側の位置で、それぞれ1~2回通電します。ご覧のとおり、歯髄は変性を起こしており、歯髄と根管壁の間にわずかな隙間が生じ、歯髄が根管壁から剥離していることが確認できます。そのため、歯髄の除去は非常に容易で、一塊で除去できることも少なくありません。出血もほとんどなく、根尖狭窄部や側枝に歯髄が残存している可能性も低いため、術後の症状もほとんど見られず、術式としても非常に簡便です。従来の抜髄では、うまくいかない場合に根尖部の拡大を繰り返すことで、ジップなどのトランスポーテーションを引き起こし、かえって炎症を引き起こしてしまうこともあります。しかし、高周波通電を用いることで、そのような炎症の発生は極めて稀です。さらに、先ほど菅谷先生がお話しされたように、根尖狭窄部で歯髄が蒸散し、上部の歯髄が自然に失活する効果も相まって、抜髄は本当に簡単になります。
なお、症状が出ないというのは、麻酔が切れた後も痛みが全くないという話ではありません。数日は少し痛みはあります。ただ、1週間後の再来院時に痛みがまだ残っているかどうかという点では大きく違ってくると思います。
何回も治療が必要なケースはかなり減少していると思いますから、いろんな方法をトライするよりは、この方法をお勧めしたいですね。
確かに貼薬剤を入れて何度もトライするくらいなら、この方法が良いですね。
症状が消えないと、「そこに何かが残っているのではないか」思って皆さん根尖狭窄部をついつい広げたくなってしまうんですよ。
根管拡大か貼薬、もしくは根管洗浄しか選択肢はありませんからね。
そうなると問題がより分かりにくくなるということはありますね。
難易度の高い根管治療のケースへの「ルートZX3」の応用
通常の根管治療で難易度の高いケースには、どんなものがあるでしょう
感染根管でなかなか治らない理由は、1つは根尖孔までファイルが穿通できないケースと、もう1つは、穿通できても根尖孔が壊れて広がってしまったケースが考えられます。根尖孔が広がって外開き状態になっていると、ファイルを入れても根管壁に当たりません。仮に当たっていてもどこに接触しているのか、よく分からないことがあります。CTで見ると、近心頰側根も遠心頰側根にも根尖病変があり、口蓋根は吸収してしまっています。しかも根尖孔は広がっている。こういう状態になると、懸命に洗浄しても十分細菌が取り切れないということが起こり、なかなか治りません。
感染根管の症例
(提供:菅谷勉先生 デンタルマガジン195号Dental Talk/Case Report掲載)
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図1 初診時デンタルX線画像。根尖部骨欠損(矢印) -
図2 初診時CBCT画像。口蓋根に外部吸収(矢印)
(Veraviewepocs 3Dfにて撮影) -
図3 口蓋根への通電時
A:通電時。根尖孔の肉芽組織は赤く浮腫性で易出血性(矢印)
B:次亜塩素酸ナトリウム溶液を根管内に滴下後(矢印)
C:通電時。根管内の薬液が突沸(矢印)
D:5回通電後の根尖孔。肉芽組織は変性し白濁(矢印) -
図4 通電6か月後(根管充填4か月後)。根尖部骨欠損は消失
ー 以下、症例解説
口蓋根の根尖孔の方から肉芽組織を取っている状態ですが、こんなふうに赤くプヨプヨした浮腫性の炎症のある状態がいつまでも続いていて、少し触るとすぐに出血してきます。こういうケースに高周波電流を流します。
この場合、直接ファイルを接触させて焼灼するという手法が1つ。もう1つは、次亜塩素酸ナトリウムを少し入れて、そこに電極を接触させて電流を流します。そうすると、次亜塩素酸ナトリウム自体が大きな電極のようになって、次亜塩素酸ナトリウムと組織が接触している部分で発熱が起こるので、根尖孔の組織を蒸散することができます。
写真の矢印部分の組織が白く変性しているのが分かります。ここに何か異物があって、それも取り出すことができました。あとは治癒に向かうことになります。
根尖孔はこんなに太い状態ですが、これで治ります。近心頰側根は穿通できています。根尖孔が広がってしまっている、あるいは根尖孔で歯根吸収が見られる症例でもこのステップで治ります。これでも治らない症例も中にはありますが、かなり成功率は高いと思います。
例えば、次回来院時にまた炎症所見が見られた場合などはいかがですか。
もう一度同じステップを繰り返します。ただ、2回まではトライしますが、3回以上試して治ったケースはありませんので、3回はしません。そのときには外科処置を考えます。
根尖孔に穿通できない症例
(提供:菅谷勉先生 デンタルマガジン195号Case Report掲載)
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図1 初診時デンタルX線画像。根尖から遠心歯頸部に骨欠損(矢印) -
図2 初診時CBCT画像
A:DB遠心歯頚分の骨欠損(矢印)は明確で歯内・歯周病変2型や3型も疑われる。
B:MB根とP根は癒合なし、根管口は2つ(矢印)
C:MB根とP根の根尖孔は1つ(矢印) -
図3 通電
A:P根に次亜塩素酸ナトリウム溶液を根管内に滴下後
B:P根。根管内の薬液が突沸(矢印)
C:P根。大きな気泡が発生(矢印) -
図4 通電後4か月。根尖部から遠心の骨欠損は概ね消失 -
図5 通電後14か月(根管充填後13か月)。歯根膜腔拡大もほぼ消失
ー 以下、症例解説
次に根尖孔に穿通できなかった症例です。右上7番はCTで見ると骨欠損が根尖部だけではなく、歯頸部まで見られます。骨欠損はありますが、ポケット自体は浅かったので根尖性歯周炎と思われます。近心頰側根と遠心頰側根と口蓋根は確認できますが、口蓋根と近心頰側根は癒合しているようにも見えます。根尖孔は2つに分かれています。それぞれに骨欠損があって、しかもこれが3根管とも根尖に穿通できませんでした。そのため通電を試みました。通電により薬液が沸騰します。ファイルは穿通できていませんが、薬液が沸騰することによって治癒の方向に向かいます。
基準にされているのは、ポケットの深さでしょうか。
ポケットが浅ければ根管治療で治る可能性はありますが、根管治療で全ての根尖病変が治るとは限りません。いちばん困るのは、ポケットはある程度の深さがあるけれども根尖までは行っていないと思われる症例です。それが本当に根尖まで行っていないのか、こういうケースだとプローブが入らないということもあり得るし、結果的に根管治療で治るか治らないかでしか診断がつかないということはありますね。
根管治療を優先して行う「エンドファースト」を採用されるわけですね。
そうです。まず根管治療を試してみます。ただ、それで何か月経過を見ればいいのかはよく分かりません。術前に診断ができればいいですが、そうはいかないケースが多いと思います。それ以外はそれほど困るケースはありません。
病変の治りがかなり速いと思うんですが、どのくらい経過期間を見られますか。
まずは3か月ですね。そこで不明確な場合には5か月か6か月でX線写真を撮って確認します。早ければ2か月ほどで骨欠損の縮小が見えることがあります。症例のようなケースを根管治療してみようと思う先生もあまり多くないかもしれないですね。根尖孔から排膿が見られると、根尖性歯周炎と見て根管治療で治るかもしれないと思うかもしれませんが、穿通できないことには全く分かりません。この場合X線写真で経過を見ていくしかありませんから、それなら抜歯を選択するという話になってもおかしくないケースです。
このケースで通電は何回くらいされていますか。
突沸は1根管につき3回を目安にしています。あと、通電後にEMRの指示値がグッと下がります。根尖まで穿通できないと3や2で止まることがありますが、それが1や0.5まで下がります。その時点で突沸もしています。その2つを指標にしています。ただ、本当に3回も必要かどうかはよく分かりません。症例によっても違うと思いますが、3回トライしても3秒程度ですから、時間的な問題はないと思います。ただ、痛みや発熱の障害はあるかもしれません。私は無麻酔で行うことがかなりありますが、突沸すると少し痛みを感じます。「この程度の痛みは何でもない」という患者さんもいらっしゃいますが、「麻酔してほしい」とおっしゃる方は、10人に1人か2人くらいいらっしゃいますね。
加藤先生は麻酔されますか。
はい。麻酔しています。
私が無麻酔を選択する理由は、ケースによっては電流が全く流れないときがあって、その場合、麻酔の痛みだけ与えて結局何も前には進んでいないという状況が忍びないんです。患者さんが痛みを感じておられるようであれば麻酔しますし、ケースバイケースですね。
突沸すると、患者さんは狭窄根管に電流の痛みを感じるのでしょうか。
感じます。それはおそらく電流の痛みではなく、突沸による発熱の痛みですね。ですから、痛いというよりは熱いという表現をする方も中にはいらっしゃいます。この電流値では痛いという感触は出ないはずです。
痛みの感じ方を通電の目安にすることは問題ありませんか。
そうですね。ただ、痛みの程度は人それぞれなので、「こんなの痛くないよ」という方も中にはいらっしゃいます。痛みを感じてくださる方が効果は出そうな気はしますね。