『教えて 大橋先生の人事講座』第5回目のテーマは「なぜスタッフの本音を聞き出せないのか」です。
人事コンサルタントの大橋高広先生にお話いただきました。
セミナー講師
大橋 高広先生
- 同志社大学を卒業後、大手通信系企業にて新規開拓営業を担当
- 経済団体にて中小企業の経営支援を担当
- 中堅製造業にて総務・人事・経理等のバックオフィス業務を担当
- 株式会社NCコンサルティングを設立、 同社代表取締役社長に就任
- 関西経済同友会 会員
- 大阪商工会議所 人事労務サポート推進パートナー
- 八尾商工会議所 専門相談員
- 守口門真商工会議所 専門相談員
- 和泉商工会議所 専門相談員
セミナー動画
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今回は、以上の4つのテーマに分けてお話します。
では、さっそく始めていきましょう。院長が直接面談しても職場の問題は聞くことができない
私がこれまで1,200名を超えるスタッフの方々の面談を行ってきた結果明らかになったことなのですが、スタッフというのは、やはり雇用されている立場ですから、「先生に嫌われたくない」という心理が働いて、自分の保身のために本音を話さない傾向にあります。これは、ヒアリング技術の問題ではなく、スタッフの立場の問題です。
「職場のコミュニケーションに気を配り、現場の意向をこまめに拾い上げながら、改善の提案があれば迅速に対応している」とおっしゃる先生は多いです。しかし、スタッフにとってみると、医院や院長先生に関すること、メンバーに関することなど、属人的なことは言い出しにくい。ただ、質問されて返事しないことで改善の意識が低いとみなされてよくない印象を持たれたくないので、当たり障りのないことを意見として言っていることが多いのです。志のあるスタッフほど何か言わなければならないと発言してくれますが、もともと本質的な問題を捉えた意見ではないので、そうした意見を採用したところで空まわりの改善にしかならないのです。
日報や社内SNSでは職場の問題が共有されない理由
そのための対策としてよく見かけるのが、日報や社内SNSです。しかし、たとえば「日報を書く」と決めても、毎日となると書くことがなくなってしまい、コピー&ペーストを繰り返すということが非常に多い。そういう内容から職場の問題は見えてきません。社内SNSや情報共有クラウドを設置しても同じで、全員に公開されているものはもちろん、公開範囲をリーダー以上など特定の層に絞ったとしても、自分以外の複数名が自由に閲覧できるものに、本質的な問題はなかなか書けないものです。けれども、何も書かないとやる気がないとみなされてしまうかもしれないから、結局、当たり障りのないことを書いてしまうのです。
朝礼で意見共有を試みておられる医院もありますが、これも、業務上の連絡、天気や社会情勢などの話に終始して、プライベートな話題といえば「先日〇〇に行きました」といった最終的によくわからない話で終わることがほとんどです。何か話さないといけないから、当たり障りのない話題を選んで話しているだけ。誰もが聞いているところや記録として残るところで、自分が本当に悩んでいることや本質的な問題は話せないし、書けないものです。
売上アップのヒントはスタッフの本音に隠れている
けれども、実際のところ、売上アップや利益アップ、経費削減など改善案のヒントは、スタッフの本音に隠れています。なぜなら、スタッフは患者様が来院し、帰るまでの行動を見ているからです。先生の場合は難しいと思いますが、スタッフは患者様の院内での行動をすべて見ていますから、「ここに困っておられるのだな」とか、「設備や空間はもっとこうしたほうがいいな」などの気づきをたくさん得られるのは当然のことでしょう。
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引き続き全文がご覧いただけます。大橋からのお願い
本プログラムを受講された後、必ず何か1つでも実践してみてください。
何か行動を起こせば必ず未来は変わります。
このたびのご縁を大切に私自身も日々自己研鑽に励んでまいります。
ぜひ皆さまで一緒に頑張ってまいりましょう。