193号 SUMMER 目次を見る
目 次
- ≫ 最初に貴院の診療ポリシーをお聞かせください
- ≫ 2021年の開業と同時にアライナー矯正治療を導入された理由を教えてください
- ≫ アライナー矯正装置のなかで「インビザライン Go」を選択されたのはなぜでしょう
- ≫ 「インビザライン Go」を導入後の患者さんの反応はいかがですか
- ≫ 順調に症例数を増やすことができた要因はどこにあるとお考えですか
- ≫ 「Genifix」の他、デジタル機器を活用したデジタルソリューションのメリットについてお聞かせください
- ≫ 最後に、これから開業される先生方にメッセージをお願いします
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大阪府高槻市
かすや歯科クリニック
院長 加須屋 真
開業時にアライナー矯正装置「インビザライン Go」を導入され、順調に症例数を拡大。現在、モリタのセミナー講師を務める加須屋真先生に、「インビザライン Go」の導入経緯や症例数を増やすポイント、さらに「インビザライン Go」とデジタル環境の親和性がもたらすメリットについて伺いました。
最初に貴院の診療ポリシーをお聞かせください
「子供から大人までニーズに合わせた最良の歯科治療」を目指しています。私は開業するまで大学病院の口腔外科や、海外のインプラントセンターに勤務してきた経験から、外科治療を得意としています。ただ、インプラント治療はあくまでオプションと考えているため、患者さんが望まれない限り、積極的にお勧めすることはありません。
2021年の開業と同時にアライナー矯正治療を導入された理由を教えてください
矯正治療は一般の開業医にとってハードルが高いイメージがありますが、勤務医時代に「抜歯しなくていいなら矯正したい」という患者さんの声をたくさん耳にしました。そこで、開業の際には、私が以前から得意とするインプラント治療に加えて、何とか非抜歯の矯正治療を取り入れられないかと、ずっと考えてきました。その中でアライナー矯正の存在を知ったわけです。
アライナー矯正装置のなかで「インビザライン Go」を選択されたのはなぜでしょう
「インビザライン Go」は、一般歯科医向けに簡素化して開発されたマウスピース型矯正装置です。非抜歯に特化し、大臼歯を除く計20本を矯正対象としています。大臼歯を動かさないので、咬合関係はほとんど変わりません。通常の矯正治療に比べて短期間で治療を終えるケースが多いため、患者さん、術者の双方にメリットがあると感じています。
ほぼ全ての症例で術前・術中・術後の状態を撮影。「『ルナビューショット』だと手軽に鮮明な画像が撮影できるので、とても重宝しています」と加須屋院長。
撮影した画像は即座に大型モニターに映し出し、カウンセリングなどに活用している。
初診の資料採得から約2週間後、送付された「インビザライン Go」のクリンチェック治療計画をもとに患者説明を行う。
「インビザライン Go」を導入後の患者さんの反応はいかがですか
予想以上の反応があり、私自身驚きました。アライナー矯正治療に対する潜在的なニーズがそれだけたくさん存在するという証しだと思います。
順調に症例数を増やすことができた要因はどこにあるとお考えですか
矯正相談のために来院される方の場合、基本的に初診のコンサルテーションから経過観察、治療終了まで、すべて私が診るようにしています。それが大きな要因ではないでしょうか。私が患者さんの立場なら、最後まで先生に診てもらえるところに行きたいと考えると思いますので…。
また、インプラント治療や矯正治療を検討される方は、電話で問い合わせたり予約されるケースは少ないと思います。ですから時間を気にせず予約できるWeb予約システムは必須のアイテムと考え、開業時に「Genifix(ジニフィクス)」を導入しました。それが功を奏して、矯正相談の予約が増えていったと考えています。実際のところ、矯正相談を予約するための連絡が入るのは夜間が約90%、それも9時以降のことがほとんどです。事前にインターネットで徹底的に調べてから来院されて、最初から「『インビザラインGo』でお願いします」とおっしゃる方が多いです。
「Genifix」の他、デジタル機器を活用したデジタルソリューションのメリットについてお聞かせください
まずWeb予約を導入することで、受付スタッフの負担が軽減されます。さらに当院では、初診で来院されたら、「ルナビューショット」や「ペンビュアー」を使って口腔内写真を撮影し、その画像をモニターに映し出してカウンセリングを行います。「インビザライン Go」のクリンチェック治療計画を行うためには、口腔内写真は必要です。オペレーティングライトと一体になっていて手軽に撮影、記録できる「ルナビューショット」は、私にとって欠かせないツールです。当院では、ほぼすべての治療において、治療前・治療中・治療後の状態を撮影し、保存しています。画像は時間や場所を選ばずに診療室の大型モニターやタブレットなどに呼び出すことが可能です。プレゼン用ソフト「TrinityCore Pro」と連携することで、患者さんごとのフォルダに画像を自動保存し、5枚法など患者説明に必要なテンプレートに配置してくれます。
私は過去の勤務医時代の経験から、メーカーを統一することで大きなメリットが得られることを知っていました。そこで、開業にあたり診療器材をモリタ製品で揃えました。モリタの場合、予約から会計まで、すべてのステップにおける全体最適化をサポートしてくれます。万が一どこかに不具合が発生したとしても、モリタに連絡すれば解決してくれる。これは大きなメリットだと感じています。
最後に、これから開業される先生方にメッセージをお願いします
矯正治療を求める患者さんは、今後さらに増え、とりわけアライナー矯正のニーズは拡大する一方です。また、予防歯科を本気で推進していくためには、清掃性の観点からも歯並びの改善は外せないポイントになるでしょう。
したがって、これから開業を目指す先生方には、矯正専門の先生を雇うか、先生ご自身が矯正治療のスキルを獲得する必要があるでしょう。アライナー矯正は、一般歯科の先生でも導入するハードルは比較的低いと思いますし、導入することにより、治療の幅が広がります。結果として、医院の収益にも大きく貢献することが期待できるだけでなく、何より日々の臨床が楽しくなります。
クリンチェック治療計画では治療前と治療後の口腔内を3Dシミュレーションで再現。患者さんに予測実現性の高い治療計画を提案できる。
患者さんにクリンチェック治療計画で治療前と治療後の口腔内の状態を確認いただいた後、アライナーを発注。約2週間後に初回のアライナーがクリニックに届く。
洗浄・消毒・滅菌エリアを受付付近に置き、受付がその業務を行うのは加須屋院長のアイデア。モリタが提案する「コンセプトモデルクリニック」の考え方とも相通ずる。
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