138号 AUTUMN 目次を見る
■目次
- ≫ 前田先生にはお父様の時代に試作品のモニターもお願いするなど、DOC-5との縁は深いと思いますが、当時のエピソードをお教えください。
- ≫ そういった関係から、お父様(勝先生)にはDOC-5の開発にご協力いただけたのでしょうか。
- ≫ そこまで前田先生が開発にご協力くださった背景とはなんでしょうか。
- ≫ 以降、モデルチェンジごとに導入、ご愛用いただいていますが、思い出に残るモデルチェンジはどの機種の時でしたか?
- ≫ 私はやはりモリタが持つトータルのシステム力を高く評価しています。
- ≫ DOC-5の使い心地はいかがですか?
- ≫ トラブルや疑問点・不明点などが発生した場合、どのように対処しておられますか?
- ≫ 今後、DOC-5そしてモリタに求めることとはどんなことでしょうか?
- ≫ PROFILE
- ≫ DOC-5の歩み オフコンと呼ばれた時代からパソコンへ

前田先生にはお父様の時代に試作品のモニターもお願いするなど、DOC-5との縁は深いと思いますが、当時のエピソードをお教えください。
「晧歯会」は、これからの若い人たちを育てていくために、父を含めた3人の歯科医師が自分の診療所とは別法人をつくったのが始まりですが、その教育システムの中心が、Dr.ビーチが提唱し、モリタが具現化した「スペースラインコンセプト」でした。モリタは当時から「すべてのテクノロジーは“人”中心であるべき」というコンセプトを掲げ、その考え方にマッチした診療環境を実現するための器材や設備を開発していました。私たち晧歯会のメンバーは、Dr.ビーチの“普遍的な考え方”とモリタの“ものづくりの姿勢”にいたく感動して、忠実に実践すべく、チェア・ユニットはもちろん、専用キャビネットやインスツルメントを導入し、そのコンセプトの普及活動を始めました。それがモリタにお世話になるきっかけでした。その後、モリタ大阪本社が現所在地への移転に合わせて社内に診療スペースをつくる際、当時の森田福男社長に声をかけていただき、以降嘱託医として週一回社員の皆さんの検診を現在まで続けています。
そういった関係から、お父様(勝先生)にはDOC-5の開発にご協力いただけたのでしょうか。
そうだと思います。モリタといえばチェア・ユニットなど大型器材のイメージが強いですが、歯科用コンピュータの開発も早くから手がけていました。当時他にも数社が販売していたはずですが、歯科メーカーとして本格的にオフコンを始めたのはモリタが最初だと思います。そういう意味からも“産みの苦しみ”というか、試行錯誤はある程度必要だったのでしょう。 私はその時期兵庫医科大学に勤務していて、DOC-5導入に至るエピソードは詳しく知りませんが、販売前のテストは大変だったようですね。1981年8月のお盆休みに納入したものの、バグが多くてまともに動かず、何とか動いても動作が遅くて、患者一人分の入力に30分もかかっていたこともあるとか・・・。モリタの人も開発会社の方と一緒に診療所に寝泊まりしながら復旧に懸命で、父が朝出勤すると、常に何人かが交代で作業や仮眠しているような状態が続いていたと聞いています。
そこまで前田先生が開発にご協力くださった背景とはなんでしょうか。

キャビネットは医院のイメージに合わせて別注。
以降、モデルチェンジごとに導入、ご愛用いただいていますが、思い出に残るモデルチェンジはどの機種の時でしたか?

私はやはりモリタが持つトータルのシステム力を高く評価しています。
DOC-5の使い心地はいかがですか?

トラブルや疑問点・不明点などが発生した場合、どのように対処しておられますか?
入力トラブルはほとんどないんですが、受付ではアップデートに時間がかかるとか、起動しないことは数回ありました。そんな時はすぐモリタの担当者かサポートセンターに連絡して来てもらったり、電話でのフォローで解決しています。なんといってもモリタは院内ネットワークをすべて独自に開発していますから、何かあってもまったく心配していません。この安心感は大きいですよ。コンピュータやソフトは日進月歩ですが、モリタの手厚いサポートは30年間変わらないすばらしいメリットだと感じています。コンピュータの導入だけを考えるなら、多くのメーカーそれぞれにメリットもあるでしょうが、私はモリタが持つ“トータルのシステム力”を高く評価していますから、これからも迷うことはありません。モリタも私のような存在がいることで、さらに上を目指して精進してくれると信じています。
今後、DOC-5そしてモリタに求めることとはどんなことでしょうか?
現時点ではまだ処置内容を記録していくだけですが、将来的には記録に基づいて治療の筋立てまで入っていければ…。「せっかくの情報を何に使うか」ということですよね。確かにトリニティコア※では、はじめに口腔内の状態を入力すれば治療計画を立てられますが、この部分が電子カルテとしてDOC-5に細かく反映・連携・蓄積できるようになればさらにいいと思います。モリタならできるのではないでしょうか。他社で“診療のコンセプト”まで持っているところは少ないでしょう?モリタに期待しているのは、他社がやらない、できない、「コンセプトに基づく診療の流れ」を作ってほしいということ。それができれば、患者さんも歯科医院を信頼し、安心して診てもらえる。それが結果的に、歯科医院、歯科産業にとってもプラスになるのではないでしょうか。
前田憲昭 先生

PROFILE
1947年生まれ
- 1972年
- 大阪大学歯学部卒 口腔外科学第一講座入局
- 1977年
- 大阪大学大学院修了 歯学博士
- 1979年
- 大阪大学助手
- 1981年
- 兵庫医科大学助教授 歯科口腔外科学教室
- 1994年
- 医療法人社団皓歯会 理事長 現在に至る
※トリニティ・コアは患者プレゼンテーションソフト 詳しくはこちら
DOC-5の歩みオフコンと呼ばれた時代からパソコンへ
30年前に本誌で紹介した「使っています MyDOC-5」
DOC-5 初代モデル ●本体はオフィスデスク型で、シート自動めくり式タッチパネルで入力 ●メインメモリは320KB(キロバイト)、ハードディスクは20MB(メガバイト) ●8インチ(約18cm)フロッピーディスク、24ドット日本語プリンタを装備
DOC-5 PLASMA ●治療の進行に合せてページが変わるオレンジ色の電子タッチパネル ●ディスプレイは、カラーCRT(ブラウン管)かモノクロ液晶が選択可能 ●オプションで磁気カード診察券や領収証専用プリンタもラインナップ
DOC-5 win ●初めてWindowsパソコンに搭載し、マウスまたは画面ペンタッチで入力 ●デジタルX線画像処理システム「Digora for Windows」とも連携が可能 ●レーザープリンタを標準装備し、レセプトはフォームオーバーレイ印刷
DOC-5 PROCYON ●「i-VIEW」や「Trinity Core」と連携し院内ネットワークシステム「D・O・O・R」を形成 ●電子レセプト対応で、「Chirpy」や「SOAP」対応カルテ等の多彩なオプション ●メモリ2GBは初代の6.5万倍、ハードディスク160GB×2は初代の16万倍
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