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「ペットの口腔ケア」について、愛犬家・大石衛生士と萬田衛生士が白熱したトークを展開!

歯科衛生士 大石 裕子/歯科衛生士 萬田 久美子

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「ペットの口腔ケア」について、
愛犬家・大石衛生士と萬田衛生士が白熱したトークを展開!

  • [写真] 歯科衛生士 大石 裕子
    歯科衛生士
    大石 裕子
  • [写真] 歯科衛生士 萬田 久美子
    歯科衛生士
    萬田 久美子

YouTubeチャンネルの新コーナーで、ペット(犬)の口腔ケアの重要性について、熱く語ってくださった大石裕子衛生士と萬田久美子衛生士。
歯科衛生士であり、ペットオーナーでもあるお二人。人間と犬の口腔内の違いやケアの方法、口腔ケア用品の選び方など、萬田衛生士から大石衛生士に質問・疑問が次々と繰り出され、トークは大きな盛り上がりを見せました。

人間も動物も口腔ケアが大切

萬田:大石さんは、歯科衛生士業務の傍ら、そのノウハウを活かして、犬の口腔ケアに関する知識と技術を習得され、現在はペットサロンなどで、犬の口腔ケア指導を行っておられます。犬の口腔は人間とどう違うのでしょうか、その特徴について教えてください。
[写真] 対談風景 大石:犬の口腔内は弱アルカリ性で、う蝕になるリスクはそれほど高くありません。その分、歯石がつきやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病だと言われています。歯周病のメカニズムは人間と同じで、付着したプラークが石灰化して歯石になり、歯周病が進行します。違うのは、進行のスピードです。犬はそのスピードが早く、個体差もありますが、2~3歳で歯周病が進行し、前歯が動揺している犬もいます。重度の歯周病になると顎の骨が溶けて歯が抜けてしまうこともありますし、外歯瘻の犬も多いんです。犬の場合、たとえ歯石の除去だけであっても手術となると全身麻酔が必要で、犬にとっては大きな負担になります。
萬田:だから日常の口腔ケアが重要なんですね。
大石:そうです。けれども、やり方が分からなかったり、犬が嫌がったりして、口腔ケアを行っている人が少ないというのが現状です。ですから、ペットを飼っておられる患者さんには、自宅での歯磨きの重要性やその方法をお伝えするようにしています。並行して、ドッグカフェで歯磨き教室を開いたり、ペット関連のイベントで歯磨きレッスンをするといった活動も行っています。
[写真] 大石 裕子 萬田:人間から犬に歯周病菌が感染しないようにすることも大切ですね。自宅では自分が食べたものをあげないなど、気をつけている人も多いと思います。
大石:そうですね。感染しないという目的で人間も犬も毎日のブラッシングでプラークコントロールを行ってほしいと思います。
萬田:犬の歯周病リスクを少しでも減らすために、やはり人間も歯間ブラシ、歯ブラシ、洗口剤をきちんと使って口腔ケアをしたほうがいいんですね。私の場合、自分の歯磨剤を選ぶ際に、含まれている成分を注意して見るようにしています。IPMPやビタミンEが高配合されている、「Systema SP-Tジェル」(ライオン歯科材(株))を使用して、化学的なコントロールをしています。

ペットの口腔ケア用品の正しい選び方

大石:歯磨きスプレーや歯磨きジェルなど、化学的に口の中の細菌を減らすことも大切で、今はそういう製品がたくさん出ていますよ。
萬田:人間用の製品がそのまま犬に使えるというわけではありませんよね。
大石:人間には無害でも犬には有害な成分もありますからね。逆に、犬用の歯磨剤は飲み込んでも良いような設計になっていたりするんです。ただ、犬用の商品は雑貨扱いになるので成分表示しなくても販売できます。最近は表示があるものも増えてきているので、そういうものを見極めて選ぶことも大切だと思います。
萬田:歯科医院では、殺菌成分であるIPMPやCPCの濃度、歯周病予防に注力して設計された製品であるかどうかなど、きちんと表示を見て選ぶように患者さんに指導しますが、動物病院ではなかなか難しいんですね。
大石:そうですね。萬田さんはワンちゃんの歯ブラシなどの口腔ケア用品はどうやって選んでいますか。
[写真] 萬田 久美子 萬田:動物病院で購入しています。歯科医院のように商品の選び方についてアドバイスをされることがあまりないので、歯科衛生士の視点で見て、うちの犬に合っていると思うものを選んでいるつもりです。たとえば、歯ブラシはラウンド毛だけだと痛がることが多いので、ラウンド毛とシステマ毛が交互に植毛されているものを選んだり。歯磨剤は成分を見ても何が犬にとっていいのか分からないので、好きそうな味のものを選んでいます。
大石:それでいいと思います。人間と同じで歯磨きを嫌がらせないことが大事ですから、最初は味重視でスタートして、慣れてきたら効果・効能を見て選ぶといいですよ。
萬田:歯周病予防のためにセルフケアの重要性を伝えることは歯科医院ではかなり浸透していますが、動物病院でも定期健診や予防注射のときにブラッシング指導などを組み込んでもらえるといいですね。犬も人間も同じで、メインテナンスを当たり前のものと認識してもらうためには医療者側からの働きかけが重要ということがよく分かりました。

YouTube撮影を終えての感想

ペットの口腔ケアについて、誌面とは違ったテーマで収録したYouTube動画を公開しています。

[写真] ペットの口腔ケアの重要性

[写真] 対談風景 大石:普段からペットの歯磨き教室をしているので人前で話すことは慣れていますが、YouTube撮影は初めての経験でした。それでも、ナビゲーターの方がリードしてくださったので楽しく撮影できました。歯磨きの重要性は分かっているけれど行動に移せていないというオーナーさんが、頑張ってみようかなと思うきっかけになれば嬉しいです。
萬田:YouTube撮影やこの対談を通して、自分が犬の口腔内をいかに大雑把な感覚で見ていたかに気づきました。口腔ケアが必要な理由やケア用品の選び方などは、やはりプロの教えを乞うべきで、今後は大石さんのような知識を持つ方の需要も高まってくると思います。

ペットの口腔ケアについて、誌面とは違ったテーマで収録したYouTube動画を公開しています。

[写真] ペットの口腔ケアの重要性

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