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Interview

プラークコントロール改善を目指して 当院のCheck-Up 歯ブラシ提案方法

滋賀県草津市 医療法人社団HUNDRED やまぐち歯科 院長 山口 靖彦

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  • [写真] 滋賀県草津市 医療法人社団HUNDRED やまぐち歯科 院長 山口 靖彦
    滋賀県草津市
    医療法人社団HUNDRED
    やまぐち歯科
    院長 山口 靖彦

大切なのは予防意識を高めるサポート

<院長 山口靖彦>
当院は「健やかな口から健やかな体(健康)と心(健幸)を育てる」をテーマにメディカルトリートメントモデルを取り入れた予防管理型の歯科医療を展開しています。予防管理型歯科医療で大切なのは、患者さんに「歯を大切にしよう」という気づきを与えること。相手を変えるのではなく、相手に気づきを与え、相手自身に変わってもらう。そのサポートこそ私たちの責務だと考えています。2023年に位相差顕微鏡を導入したのもそのためです。口腔内の細菌の種類に合わせた治療を行いながら治療前後の口腔内細菌の変化を観察することで治療効果を確認し、患者さんの予防意識を高めています。そうした取り組みの中で歯科衛生士の役割は大きく、患者さんの生涯の健康のパートナーと言っても過言ではありません。歯科医師は壊れた部分を修理する(マイナスをゼロにする)ことしかできませんが、歯科衛生士は口腔内の状態を改善させ、より健康な状態へと導くなど、マイナスをプラスにすることができる。そんな歯科衛生士の力を大いに借りながら、健康寿命を伸ばすいちばんの手立ては「口の中を健康な状態にする」ことだと、一人でも多くの人に伝えていきたいと思っています。

<歯科衛生士の皆さんに伺いました>

Check-Up歯ブラシstandardタイプの使用感と物販導入のきっかけ

竹内私は上顎の智歯が頰側に倒れていて磨きづらいことが悩みでしたが、口の奥までスムーズにヘッドが入り、きれいに磨くことができたというのが最初の印象です。家族にも使用してもらったところ、「定期健診でいつも磨き残しが多いことを指摘されているのに、この歯ブラシを使うようになってから磨き残しが少ないと褒められるようになった」と話してくれました。
西尾デンタルショーでサンプルをいただき、その使用感が良かったことから2023年6月に開催した当院のイベント(テーマ:むし歯予防)で紹介したのが導入のきっかけです。現在は、メインテナンスの時間にチェアサイドで説明を行い、販売しています。受付の横にも物販商品を並べているので、受付スタッフが対応することもあります。

こんな患者さんにお勧めしています

松本ヘッドが3mmと薄型で頰側面に入りやすく、臼歯部にも無理なく届くので、智歯がある方や顎関節症などで開口障害がある方、プラークコントロールがあまり上手くできていない方にお勧めしています。嘔吐反射が若干あるという患者さんが「この歯ブラシなら大丈夫だった」とおっしゃっていたので、同じ症状のある人にお勧めすることもあります。
西尾当院は歯周治療に注力していますが、セルフケア用として患者さんにCheck-Up歯ブラシstandardタイプ(以下:Check-Up歯ブラシ)をお渡ししています。毛先がフラットなので当てやすく、薬剤が口の中にしっかりと行きわたるという理由から院長が採用しました。

  • [写真] やまぐち歯科の外観
    現在はチェアユニット6台中4台をメインテナンス用に使用しているが、2025年にはさらに6台を増設し、メインテナンス専門のフロアも設ける予定。
  • [写真] ゆったりとした待合室
    ゆったりとした待合室は、屋外の緑が見える明るい空間。奥にはキッズスペースも設けられている。
  • [写真] 受付横の物販スペース
    受付横の物販スペースでは、歯科衛生士の似顔絵とPOPを使ってわかりやすく商品を紹介。実際に手に取って患者さん自身に選んでいただくことも可能。

Check-Up歯ブラシのSとMの選択と注意事項

高見いろいろな歯ブラシを置いたスタンドをチェアサイドに用意しているので、毛先がやわらかいSと少しかためのMを両方触って好みで選んでいただきます。私自身はMは少しかたく感じるので、Mを選んだ患者さんには「ブラッシング圧に注意してくださいね」と伝えるようにしています。
竹内歯科衛生士の中でMは少しかたいという意見が多いのですが、私自身はSでは少し物足りず、Mの方が磨き心地が良いと感じます。ですから、ブラッシング圧をきちんとコントロールできることが大前提ですが、スッキリとした磨き心地をご希望の患者さんにはMをお勧めしています。

患者さんに説明する際のポイント

[写真] やまぐち歯科のスタッフの皆様

高見ヘッドの薄さやネック部分のカーブの曲がり具合など、その特長がうまく伝わる説明を心がけています。舌側にプラークが多い患者さんには、顎模型を使って「こうやって当ててくださいね」と当て方を指導します。
荒堀Check-Up歯ブラシで磨いた後の口蓋側の写真をチェアサイドの壁に掲示しているのですが、それを見てきれいになっているのが分かると興味を持ってくださる患者さんも多いですね。一度使うとだいたいの患者さんがリピートしてくださいますが、使用感や何か困ったことがないか伺うなど、メインテナンスの際にはこちらからもお声がけするようにしています。

患者さんの反応や状態の変化

良くなく、歯を磨いてもざらざら感が残ると悩んでおられた患者さんが、この歯ブラシだとツルツルになるから磨くのが楽しいとおっしゃって継続使用されました。すると、歯肉の状態が良くなり、それまで2か月だったメインテナンスの間隔を4か月に延ばすことができました。
荒堀正しい当て方やブラッシング方法はどの歯ブラシでもきちんと指導をしていますが、Check-Up歯ブラシに関しては、磨いた後のツルツル感や磨き心地が良くなったと実感される患者さんが多いですね。歯肉の状態が変わりやすい若い患者さんなどは、次のメインテナンスの時に歯肉の炎症が明らかに改善していて、私たちが驚くことも良くあります。
松本可撤式の矯正装置を装着中でプラークコントロールが悪く、口呼吸もあって歯肉の発赤も目立っていた高校生の患者さんも、Check-Up歯ブラシを使用されるようになって、翌月には明らかにプラークコントロールが改善しました。歯ブラシはお母様がお子さんの分も、と購入されたもので、ご本人は特段意識せずこれまで通りの磨き方で使用されていました。口腔内写真を撮影したので、それを見せてプラークコントロールが改善したことを伝えると、とても喜んでくださいました。最初からモチベーションが高い人ばかりではないので、ビフォーアフターを提示するなど、効果を目に見えるようにすることも大切だと思います。

  • [写真] やまぐち歯科で予防管理を担う5名の歯科衛生士
    やまぐち歯科で予防管理を担う5名の歯科衛生士。(左から高見里恵さん、松本梓さん、竹内優樹さん、西尾胡桃さん、荒堀由美夏さん)
  • [写真] 医院で取り扱っている歯ブラシ
    医院で取り扱っている歯ブラシについてはすべての診療室にサンプルを用意。見て、触って、各歯ブラシの特長を分かりやすく説明し、最適な選択をサポートしている。
  • [写真] 西尾さん
    「自分が使って感じたことはもちろん、同じような状態の患者さんが使ってどう感じられたかも、できる限り伝えるようにしています」と西尾さん。

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