106号 SUMMER 目次を見る
目 次
- ≫ パタカラ効果
- ≫ パタカラとの出会い
- ≫ 小顔を目指してパタカラを
- ≫ 筋肉のプロも認めたパタカラ
- ≫ パタカラで小顔を獲得
- ≫ 唇の第二印象って?
- ≫ パタカラについての講演から
パタカラ効果
皆様、まずは写真1をご覧下さい。全員自分の笑顔に自信を持って楽しそうに笑っているとお思いになりませんか?
この写真を撮る時、私達は自然に心から笑うことができました。よく見ていただくとわかりますが、口角のバランスがとれ、個人個人がそれなりに引きしまった(小顔?)の笑顔になっています。
これを、私は「パタカラ効果」と呼んでいます。
私は、パタカラを使うことを通して、素敵な笑顔の人になってもらいたいと考えています。
歯科医院に来院する目的はさまざまで、よくかめるようになったり、前歯の補綴やブリーチングで見た目がきれいになったりして、喜んで頂くのは、歯科医師として非常に満足感のあるものです。
しかし多くの患者さん、特に女性の患者さんが「顔が弛んでいるから、せっかくきれいにしても、誰も何とも言ってくれない、気づいてくれない」と歯科治療後のことを訴えられます。
これは私が女性歯科医だからでしょうか? それとも医院が下町にあるという地域性のものでしょうか?
患者さんの望みは、歯の治療はもち ろんですが、若々しく引きしまった顔になって、きれいな歯で素敵に笑いたいということのようです。
引きしまった顔というのは、今さかんに言われている「小顔」のことでしょう。
私は歯科医療に携わっているわけですが、身体をトータル的に考えていかなければ、本当の治療にはならないと思い、患者さんの心のケアまで考えて、 日々治療に当たっています。
こんな私ですから、こういった患者さんの訴えは聞き逃すことはできないものでした。
写真1 「パタカラ効果」で自然な笑顔
パタカラとの出会い
平成13年3月3日、富山県「しのぶ歯科医院」の院長である小林先生から、パタカラの効果について教えて頂きました。
その後、東京歯科大学・野呂先生が介護病院で実践されているところを見学させて頂いたことがきっかけで、パタカラの取り組みを始めました。
1カ月に1回いらっしゃっているという介護病院で、野呂先生は口唇圧を測定するとともに、脳血管障害の各症状における回復、正常発音へのわずかずつの改善、筋肉の機能回復について説明して下さいました。
なによりも、患者さんが先生がいらっしゃるのを心待ちにし、実際に連携をとっている看護婦さんや栄養士さん達と共に、喜びを分かちあっている場面に、私はとても胸があつくなったことを今でも記憶しています。
小顔を目指してパタカラを
患者さんにパタカラを勧めてしばらくたった頃です。
私やスタッフは、その効果を十分説明して購入して頂いたと思っていまし た。
私達の「どうですか?」という問いかけに、「いやー暇がなくて…」「つい忘れて…」などの答えが返ってくることが多く、どうも一週間程度でやめてしまう人が大半のようでした。
「これではパタカラを売るだけで終わってしまう」「その後の効果に繋がらないのでは」「患者さんとのやりとりがつらい」。
こんなスタッフの意見が出て、私達はミーティングを重ねました。
そんな時、久保さんという患者さんがパタカラの効果の中で一番下に書かれている“小顔”という部分に大変興味を持たれました。
そして、小顔になることを主目的にパタカラを使用するということになりました。
「小顔になる」というのは、それこそ今まではっきりとしたデータのない予想範囲のことでした。
効果の中に書かれているのは、表情筋が鍛えられ引きしまるので、その結果として小顔に見えるというものです。
久保さんには、そういったあたりの筋肉の話もすべて明らかにして、結果的に小顔に見えるということをよく理解して頂きました。
そして、私が多少の不安を感じる中、彼女は期待に胸を膨らませ、小顔を目指した取り組みが始まりました。
他の患者さん達から、もちろん久保さんからも、「口角のバランスが良くなる」「唾液の分泌が良くなる」「舌の動きがスムーズになる」「騁 を かまなくなる」「喉のかさつきが少なくなる」など、予想されたパタカラの効果が報告されました。
しかし、「小顔になる」だけは、はっきり言ってそれ程自信がなかったことも確かでした。
筋肉のプロも認めたパタカラ
“筋肉を自らデザインする”といつも言っているボディビルダーの知人がいます(写真2)。
私は、彼女にパタカラを試してもらうことを思いつきました。パタカラで表情筋をコントロールできるかどうか知りたかったからです。
試し始めて3日後、回答が返ってきました。
「開発者が提示している主たる効用はもちろんのこと、いつまでも美しくありたい女性には、とてもうれしい器具」とのことでした。
また、「誰にでも有効に働き、ポジティブにもネガティブにも、自由自在に使うことのできるフリーウエイトであることがわかりました」とのことでした。
コンテストビルダーである彼女のアドバイスを受けながら、私は4カ月かかって“パタカラストレッチ”を作りました。
患者さんが無理なくできて、確実に負荷をかけられるようになっています(図1、2)。
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写真2 元ボディビル日本チャンピオンの草野珠実さんとトレーニング風景 -
図1 “パタカラストレッチ” -
図2 “パタカラストレッチ”のポスター
パタカラで小顔を獲得
前出の久保さんは“パタカラストレッチ”第1号の患者さんです。
久保さんには、私が作った記録用紙「パタカラストレッチチェックカード」(図3)を1カ月毎に提出して頂きました。
続けるうちに、どんどん表情が引きしまって、確かに顔が小さくなっていく久保さんを見て(写真3~6)、私もスタッフも開発者の本をもう一度読み直しました。
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図3 パタカラストレッチチェックカード
写真3 久保さん 初診時-
写真4 パタカラ2ヵ月使用時 -
写真5 パタカラ4ヵ月使用時 -
写真6 パタカラ6ヵ月使用時
唇の第二印象って?
人相学の権威でTVでもご活躍の浅野八郎先生が「唇の第二印象」ということをおっしゃっています。
人に出会った時の印象を第一印象とするなら、別れ際が第二印象だということです。
第一印象は目、そして第二印象は唇だということです。別れてもなお、人の記憶に残るのは素敵な口元だということでしょう。
人相学的にも、口角の上がった顔は良いとされています。パタカラを使って表情豊かな素晴しい笑顔を獲得できれば、第二印象も素敵な人になれるでしょう。
パタカラについての講演から
ご縁で、福島県で講演させて頂いた時には、歯科医師以外にも、パタカラストレッチに興味を持たれた方が70人近くも来て下さいました。
この時は、実際に小顔で引きしまった笑顔の久保さんにも経過を話して頂きながら、活発なディスカッションを行いました。
「毎日が楽しいです。自分の年を忘れてしまいそうです」とこたえながらの彼女の笑顔が、会場全体の皆様を幸せな気持ちにさせたことは事実です。
そして私、スタッフ、会場全員で時間の許す限り、鏡を見ながらストレッチを行いました(写真7)。
流行りの小顔、引きしまった笑顔を向けられて不愉快になる人はいません。笑顔には笑顔で応えたくなるものです。
「つらい時、苦しい時でも笑ってみる。そうすれば、いつのまにか居心地が良くなり、幸せに笑っている自分自身に気がつくでしょう」と講演をまとめ、1年後は出席者によるパタカラ報告会をと約束しました。
福島講演から4カ月、パタカラをより楽しく続けていただくために、できるだけ聴覚も働かせ、全身でリズミカルにストレッチしていただいております。
ある程度パタカラで正常機能の回復が見られ、以前よりいきいきとした表情が得られた後は、「ストレッチメインテナンス」を取り入れていきます。これは器具を使わずに行います。パタカラと併用することで、より手軽に筋肉を維持できるようになりました。
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写真7 鏡を見ながらストレッチ
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