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Interview

個人開業では経験できない多種多様な診療科との協業にチャレンジ

医療法人社団 有心会 横浜フロントゆうき総合歯科クリニック 理事長 吉田 悠希/院長 吉田 羊子

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横浜市神奈川区
医療法人社団 有心会 横浜フロントゆうき総合歯科クリニック

  • [写真] 理事長 吉田 悠希
    理事長 
    吉田 悠希
  • [写真] 院長 吉田 羊子
    院長 
    吉田 羊子

このたび、THE YOKOHAMA FRONTクリニックモール内に分院開業を果たした吉田悠希理事長と吉田羊子院長にクリニックの概要や医科歯科連携のポイントについて、お話を伺いました。

最初にクリニックの診療ポリシーについてお聞かせください

悠希理事長有心会という法人名は「患者さんのために心有る診療を」という院長の思いにちなんだ名前です。まさにその言葉が示す通り、「患者さんのためにできることは精一杯やろう」という気持ちで日々診療に当たっています。
羊子院長今回の分院で3医院目になりますが、どの医院であっても患者さんの気持ちに寄り添った診療を心がけたいと思っています。

現在の法人の概要を教えてください

悠希理事長神奈川県三浦市に本院、埼玉県蕨市に分院があり、今回の横浜が3医院目の展開です。麻酔科医や口腔外科医などの医師、歯科医師が非常勤も合わせて12名、歯科衛生士が8名、あと10数名の助手が在籍しています。

今回開業されたクリニックモールにはどんな特長があるのでしょう

羊子院長従来のクリニックモールは複数の診療科や調剤薬局が施設内に集まっているイメージですが、こちらでは、まずクリニック全体を統括する総合受付があって、その受付を経由して患者さんに適切な診療科を選んで受診するコンセプトで運営されています。つまり、それぞれ個別のクリニックではありますが、モールを運営するエージェント会社が差配することで、クリニックの持ち味や特殊性を生かしながら、クリニック間の風通しを良くし、より連携を取りやすい環境になっています。
悠希理事長1枚の診察券ですべての診療科を受診できるので、まさに総合病院がモール内にあるイメージと言った方が分かりやすいかもしれません。

  • [写真] クリニックモールの外観
    クリニックモールには多種多様な診療科に加え、調剤薬局や多言語対応のコンシェルジュ、横浜市の認可保育園を併設している。
  • [写真] カウンセリングラウンジ
    カウンセリングラウンジでは、患者さんの悩みをじっくりと伺い、解決するための治療法を模索、提案する。
  • [写真] マイクロスコープによる精密治療
    デンタルIQが高く目の肥えた患者さんの信頼を得るには、マイクロスコープによる精密治療が欠かせない。

悠希理事長は過去に病院歯科で医科との連携のご経験があると伺いました

悠希理事長大学卒業後に病院歯科に勤務しました。入局2日目から、右も左も分からない私に「顔面外傷だから救命に行って来て」と言われたこともありました。最初にこうした経験をすると、懸命に勉強するんです。医科との連携も頻繁に取っていましたし、全身管理に関する知識もその時に学びました。
羊子院長私はそこまでの経験はありませんが、母校の大学に医局員として残って顎顔面外科の臨床に取り組みました。そこではさまざまな外傷の方がいらっしゃり、一般開業医では対応が難しい症例もたくさん経験しました。そのノウハウが現在に繋がっていると感じています。

医科とうまく連携していくために必要な考え方について教えてください

[写真] 悠希理事長と羊子院長 羊子院長弟が内科医をしているので、正直に「ここが分からないので教えてくれる?」とよく聞きます。自分で調べて勉強することももちろん大切ですが、実際に患者さんが来院されて、疑問に思った時に勝手な判断をしないで、詳しい専門家に聞くことが重要だと思います。逆に医科の先生も歯科に関する専門的な知識はお持ちでないことが多いですから、お互いに素直に聞き合える関係性をつくることがまずは大事ではないでしょうか。
悠希理事長やはり情報共有がいちばん大切だと思います。当クリニックモールの今後の展開はまだ分かりませんが、患者さんの許可が取れれば、医科・歯科のカルテ情報を共有しながら対応や処置を行うことができます。例えば糖尿病の場合、1回の検査数値が良かったとしても、3か月間は数値が安定していないと、抜歯によってその後命に関わる重篤な事態になる可能性もあります。医科と歯科が情報を共有することで、こうした事態を回避することもできるでしょう。
また、医科で手術の予定がある方で口腔状態が悪いと、「(術前に)すべて治療してください」という紹介患者さんが最近多いんです。特に呼吸器系の疾患の場合、「手術後に肺炎を起こすのは歯科が原因」とよく言われます。たしかに肺炎の罹患理由として、口腔内細菌による感染の割合が多いと言われています。この場合は普段から口腔ケアの重要性を啓発し、モチベーションを高めていただく意味で、患者さんへの情報共有が必要です。医科の先生方、患者さんともにお互いの距離感を近づけられる環境づくりが大事なのではないでしょうか。

最後にお二人の今後の抱負をお聞かせください

悠希理事長まずは医科との連携ですね。医院名に「総合」と付けたのは、可能な限り大学病院などに患者さんを紹介することなく当院内で診ることができるように、という意味が込められています。そのためには医科との連携が必須です。今までの経験を生かしながら、新たな環境で持てる力を発揮していきたいと考えています。
羊子院長個人医院ではなかなかできない、例えば美容皮膚科や脳神経外科との先生とのコラボレーションにチャレンジしたいです。あと、当院のスタッフは女性ばかりですので、働きやすい環境を築いて、患者さんに心地良い治療を提供できるようなクリニックをつくる。それが現在の目標です。

  • [写真] 羊子院長
    羊子院長は大学病院の口腔外科での勤務経験もあり、これまでさまざまな難症例を経験してきた。
  • [写真] iTero エレメント 5Dプラス
    移転開業にあたって「iTero エレメント 5Dプラス」を新たに導入し、アライナー矯正に対応。本格的な矯正治療は専門医が担当する。
  • [写真] アクティブマウスシールド
    お二人は公益社団法人日本空手協会の大会ドクターを務め、写真のアクティブマウスシールドの開発にも携わった。コロナ禍において、飛沫を防止し安心して競技に取り組むために開発された。

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