このような診療スタンスで、昨年11月の開業時から、「美容と医療の共生」を目標にしながら、単に歯を白くきれいにするだけでなく、ツヤ・形態などのデザイン性も考慮しつつ、歯や歯茎の咬合機能を回復し、自然な美しさを蘇らせることを基本ポリシーとして診療に努めているところです。
メタルが気になる、着色・変色が気になると悩んでおられる方が、性別や世代に関わりなく多くなっています。もちろん審美性や機能性は重要ですが、まず患者さんにとって、その治療が本当に必要なのかどうかを患者さんと一緒に考えることが大切だと常々考えています。
歯を白くする方法は、クリーニング(PMTC)やホワイトニングのほか、ラミネートベニアやオールセラミックによる審美修復まで選択肢が多種多彩ですから、いかに患者さんの口腔内の状況とニーズに即した診療を行うかが重要になってくると思います。歯科用漂白材のピレーネの特色は、何よりもまず漂白効果が優れており、透明感が高いことが挙げられるでしょう。この漂白効果は、消毒用オキシドールと同じ3.5%という低濃度過酸化水素水と、二酸化チタンが光触媒として働き、過酸化水素水から効率的にハイドロキシラジカルを発生させるからです
。安全性の点では、食品添加物や歯磨剤にも使われている二酸化チタンを採用していることでも確かですが、低濃度過酸化水素水を使っているために、口腔内でも安全に使用することができるわけです。
また、低濃度過酸化水素水のpHが通常のオフィスホワイトニング用漂白材(pH3〜5)と比較して、中性に近いので(pH6)、歯質・歯肉へのダメージが緩和され、知覚過敏を防ぐことができることも、患者さんへの配慮を感じます。
操作性の点では、口唇や歯肉の保護のための専用プロテクトなどの必要がないので、術前準備がかなり短縮できますし、過酸化水素水と二酸化チタンジェルを混ぜるだけなので、すぐ処置に入ることができる点も術者にとっては、魅力でしょう。しかも、歯面処理が簡単なので、チェアタイムが短縮され、患者さんのストレスも軽減されることも大きなメリットです。
さらに、オフィスホワイトニング材としては、国内で二番目に厚生省の認可を受けた製品ですから、患者さんに特性を説明しやすく、患者さんは理解しやすいので、インフォームドコンセントが進めやすく、トータルの結果として、患者さんの信頼感を深めることにつながっています。