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Field Report

歯間部に溜まった食渣やプラークを水の力で除去する口腔洗浄器

福岡市中央区 船越歯科医院 院長 船越 栄次/歯科医師 永瀬 尚稔/歯科衛生士 松山 友香

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目 次

福岡市中央区 船越歯科医院

  • [写真] 院長 船越 栄次
    院長
    船越 栄次
  • [写真] 歯科医師 永瀬 尚稔
    歯科医師
    永瀬 尚稔
  • [写真] 歯科衛生士 松山 友香
    歯科衛生士
    松山 友香

<院長 船越栄次>

理想的な口腔状態を保つには、日々のメインテナンスとセルフケアが大切です。口のなかの糖や食物残渣(以下:食渣)を除去することで、ミュータンス菌の増殖を抑えることができますが、インプラント治療後の方や義歯を装着された方、あるいは矯正治療中の方の口腔内には、それらが残ったままになることがよくあります。特に義歯の隙間や、ブラケットの凹凸部分の隙間には食渣が残りやすく、歯ブラシだけで取り除くことは困難です。また、インプラント治療や歯周外科治療の後には、「歯ブラシが当たると痛くて歯磨きができない」「ブラッシングで傷口が開いてしまう」といったことも起こり、私たち歯科医療従事者と患者さん双方にとって悩みのタネになっていました。
こうした悩みを解消してくれるのが口腔洗浄器『ソニッケアー コードレスパワーフロッサー3000』(以下:パワーフロッサー)です。私も実際に使用してみましたが、歯ブラシのように直接歯にブラシが当たるわけではないので、その用途が広がると思いました。また、義歯の場合、歯ブラシによる摩擦で義歯自体が摩耗してしまうこともありますが、水の力を利用したパワーフロッサーであれば、義歯を痛めることなく口腔内のメインテナンスが可能です。ノズルの角度には注意が必要ですが、強い水流が歯間の汚れや食渣を洗い流してくれるので、とくにブラケット矯正治療中の方には、器具の間に挟まった食渣を取り除くアイテムになるでしょう。また、パワーフロッサーには3段階の調整機能があるので、術後の様子を見たうえで、使用可能な状態であれば、1~2週間後にいちばん弱い設定から使い始めます。その後、口の中の状態に併せて、少しずつ強めていくことがお勧めです。
個人的な感想としては、パワーフロッサーのジェット水流による洗浄力を感じました。たっぷりの水と強い水流で口の中の汚れを落とした後は、「Check-Up standard」(ライオン歯科材)とやわらかいブラシを使って、優しくブラッシングします。また、含嗽剤でうがいをすることでプラークまでコントロールできれば、口腔内を衛生的に保つことができると思います。

  • [写真] 矯正治療中の永瀬先生の口腔内
    症例1-1 矯正治療中の永瀬先生の口腔内。染め出し後の状態では、臼歯部やブラケット周辺に、食渣やプラークの付着が見られる。
  • [写真] パワーフロッサーを使用中の永瀬先生
    症例1-2 パワーフロッサーを使用中の永瀬先生。(パワー3<強>、ディープクリーンモード、カドストリームノズルを使用:鏡越しで撮影)
  • [写真] パワーフロッサー使用後
    症例1-3 パワーフロッサー使用後。臼歯部や前歯部ブラケット周辺のプラークはほぼ取り除かれている。

<歯科医師 永瀬尚稔/歯科衛生士 松山友香>

現在ブラケット矯正治療中の私たちが、パワーフロッサーを使い始めたのは約3か月前。今回は、ブラケットやワイヤー装着時の歯磨きの苦労や、実際の使用感、患者さんにこの商品をお勧めする理由について紹介したいと思います。
まず、パワーフロッサーを使う以前のお話です。通常であれば歯磨きで落とせる食渣が、矯正治療中はワイヤーやブラケットの周辺に挟まってしまうため、歯磨き後でも少し残っているような違和感がありました。その際は専用の歯ブラシや歯間ブラシを使って丁寧に除去していましたが、予想以上に時間がかかったり、臼歯部のケアがしづらかったり、ときには歯ブラシの毛がワイヤーに挟まってしまうこともあり、満足のいく歯磨きがなかなかできなかったのです。
そんな時に出会ったのが、パワーフロッサーです。実際に使ってみると、部位によっては落としにくかった食渣が、X型に広がるジェット水流によって、洗い流されていきました。およそ1分程度で、ブラケットや歯間部に溜まっていた食渣をほぼ除去でき、口の中はスッキリ。それまでの不快感を払拭できただけでなく、爽快感も得られるようになりました。ノズルから出る水の量が多いので、使用前は口からこぼれてしまうのでは?と少し心配していましたが、初回から問題なく使えています。口をしっかりと閉じ、水が口いっぱいに溜まったら吐き出すという手順を繰り返しながら、洗面所での使用が日課になりました。
使用する際は、歯と歯の間にノズルを垂直に当てると、口の中の感触で先端の向きが分かるので、少しずつ横にずらしながら全体を洗い流していきます。ご高齢の方だと口の周りの筋肉が弱って、水が漏れてしまう恐れがあるので、念のため、首の周りにタオルなどを巻いておくといいかもしれません。強弱の設定は人それぞれですが、私たちは2人とも3段階のうちのいちばん強い設定で使っています。これまでに電動歯ブラシを使ったことがある方は、特に違和感なくお使いいただけると思いますが、まずは弱で試してみて、問題なければ徐々に強くする方法がお勧めです。
驚くほどの除去力と使用後の爽快感に加え、タイムパフォーマンスに優れている点も評価するポイントのひとつ。水流が強く短時間のうちに食渣を除去できるので、忙しくてゆっくり休憩が取れない仕事の合間にも重宝します。普段は朝と夜、もしくは夜だけパワーフロッサーを使い、昼は歯ブラシで磨くことが多いのですが、時間がない時には、昼もパワーフロッサーを使用。仕上げ磨きができなくても、1分程度で口の中をスッキリとさせて、午後からの仕事に臨むことができます。
こうしたメリットや使い心地を実感したうえで、矯正治療中の方や歯間部分に食渣が詰まりやすい方には、パワーフロッサーをぜひお勧めしたいと思いました。
使用法については、歯科医療従事者からの指導が必要ですが、ワイヤーやブラケット周辺の食渣除去には有効な口腔洗浄器と言えます。使い方をマスターすれば、セルフケアも楽になります。矯正治療中の方は、毛先の形状に凹凸があり、部位や矯正段階に応じて4タイプから選べる「DENT.EX Orthodontic」( ライオン歯科材)を併用することで、さらなる爽快感を得られると思います。

  • [写真] 矯正治療中の松山さんの口腔内
    症例2-1 矯正治療中の松山さんの口腔内。食後、歯磨きなしで染め出しした状態。
  • [写真] パワーフロッサーを使用中の松山さん
    症例2-2 パワーフロッサーを使用中の松山さん。(パワー3<強>、クリーンモード、カドストリームノズルを使用:鏡越しで撮影)
  • [写真] パワーフロッサー使用後
    症例2-3 パワーフロッサー使用後。X型水流によって、全体的に大きな食渣を取り除いた状態。
  • [写真] 磨きやすい前歯のプラークは取れているが、ブラケット周辺にはまだプラークが残っている状態
    症例2-4 磨きやすい前歯のプラークは取れているが、ブラケット周辺にはまだプラークが残っている状態。当てる角度や時間によって、除去率は異なる。
  • [写真] 「DENT.EX Orthodontic」で口腔内全体を清掃
    症例2-5 「DENT.EX Orthodontic」で口腔内全体を清掃。パワーフロッサー+仕上げ磨きによって、ほぼすべての食渣を除去することができる。
  • [写真] 清掃後の状態
    症例2-6 歯間ブラシやデンタルフロスを併用することで、よりスッキリとした爽快感を得られる。

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