150号 AUTUMN 目次を見る
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生まれ故郷の北九州から上京し、東京医科歯科大学歯学部附属歯科技工士学校を卒業後、歯科医院に勤務しました。
数年前、小出 馨先生のセミナーに参加した時ですが、鹿児島ミリングセンターの﨑田竜仁氏に出会ったことがきっかけになり、昨年、歯科医院を退職すると同時に、博多駅前のKMC福岡研修センター室長に就任することになりました。
最近は、審美性の追求や金属アレルギー抑制などのニーズからメタルフリーへの要求が強まっており、CAD/CAMの技術革新と相まって、ジルコニアの使用頻度が上がってきています。
従来は陶材を前装して使用していましたが、高透光性のジルコニアだけで臼歯部修復物を製作できるフルカントゥアの手法を応用したジルコニアが開発されたのは特筆すべきトピックスでしょう。
その先端がノリタケ カタナジルコニアMLです。カタナジルコニアMLのもつ先進機能と高い有用性を臨床例に即してまとめました。
私のテクニシャンとしての基本スタンスは、チェアサイドでの患者さんのニーズを知り、満足度を高めることはもちろんですが、先生方やコ・デンタルスタッフの臨床手技への理解とパートナーシップを深めることです。それは、技工士学校を卒業後に勤務した歯科医院で学びました。そのために、技工だけでなく様々な勉強会で研鑽を積みつつ、スキルアップに努めてきました。
新しいマテリアルの応用領域や臨床サイドでの選択肢が広がれば広がるほど、先生方や患者さんとのコミュニケーションがますます求められます。私はその仲立ちとして、コミュニケーションを円滑にすることが重要だと思っています。
新しい補綴材料としてカタナジルコニアMLのもつ高透光性や色調の良さにジルコニアクラウンとしてのアドバンテージの高さを強く感じています。
というのは、従来のカタナジルコニアKTシリーズやKDシリーズなどは、フレーム用に調色されたモノカラーなので、フルジルコニアクラウンに応用する場合に、自然な透明感やリアルな色調を表現するためには、ステインやグレーズ等を使用する必要がありました。しかし、あらかじめボディ色からエナメル色までの4層構造がグラデーションされたカタナジルコニアMLなら、研磨仕上げするだけの簡便さとスピーディさが魅力です。その秀逸な透光性によって不自然なパール色の光沢感が最小限に抑えられています。
そして、必要に応じてステインやグレーズを使用することで、より深みのある自然な歯冠色の色調が表現できるのです。また、研磨時に使用しているセラテックは、フレームやクラウンの内面調整にも使用できる形態があり、非常に重宝しています。
カタナジルコニアMLの色調は、A Light、A Dark、B Lightの3色が揃っていますから、色調表現のバリエーションが広がり、選びやすいですね。カタナジルコニアを臨床で使用する際に症例1のようにしっかりとしたステップをふみ鏡面研磨に仕上げることで対合歯の摩耗を抑えます。
また、弊社においては症例2のようにセラテック(#958)<エデンタ社>と30倍のマイクロスコープを用いて、ポイントで削除していく精密な内面調整を行っています。その結果、患者さんは審美的な満足感や安心感が得られ、その高い適合精度が先生方への信頼感を高め、同時にテクニシャンのスキルアップにも結びつく。それがカタナジルコニアのもつ強みではないかと感じています。
- <症例1>カタナジルコニアML研磨ステップ
図1 セラテック(#952)<エデンタ社>で軸面をならす。
図2 セラテック(#958)<エデンタ社>で咬合面の形態を修正しつつならしていく。
図3 スターグロス ピンク(#2030)<エデンタ社>で咬合面を研磨する。セラテックを用いた切削面はとても緻密な状態なため、そのままスターグロス ピンクに進んでも滑沢な面が得られる。
図4 スターグロス ピンク(#1030)<エデンタ社>で軸面を研磨する。
図5 パールサーフェスZ(クラレノリタケデンタル)を用いて最終研磨を行う。
図6 完成。- <症例2>セラテック使用例
図7 セラテック(#958)<エデンタ社>はジルコニアフレームの内面調整にも活用できる。 - <症例3>カタナジルコニアML
図8 支台歯の状態。メタルコア支台だが厚みを確保することでメタルの暗さを遮蔽することが可能である。
図9 臼歯部は研磨で、前歯部はステイン法で仕上げた。切端部が単調にならないように透明と不透明の表現を強調した。
図10 右側面観。
図11 正面観。
図12 左側面観。
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