会員登録

189号 SUMMER 目次を見る

Field Report

歯間部に溜まった食渣やプラークを水の力で除去する口腔洗浄器

沖縄県中頭郡 アドベンチストメディカルセンター歯科 歯科医師 デラクルズシーボーグ 楓・歯科衛生士 喜屋武 利香/柴田 恵

PDFダウンロード

目 次

沖縄県中頭郡
アドベンチストメディカルセンター歯科

  • [写真] 歯科医師 デラクルズシーボーグ 楓
    歯科医師
    デラクルズシーボーグ 楓
  • [写真] 歯科衛生士 喜屋武 利香
    歯科衛生士
    喜屋武 利香
  • [写真] 歯科衛生士 柴田 恵
    歯科衛生士
    柴田 恵

<歯科医師 デラクルズシーボーグ 楓>

現在、私自身の矯正治療を開始して、約3ヵ月が経過しました。初めて矯正装置を付けてみて驚いたのは、予想以上に食物残渣(以下:食渣)が溜まりやすいという現実でした。とくに臼歯部のバンド部分にかなり大きな食渣が入り込むと、歯間ブラシやうがいなどでは取れにくく、とても不快に感じていました。そこで良いツールはないものかと探していた時に、『ソニッケアーコードレスパワーフロッサー3000』(以下:『パワーフロッサー』)と出会いました。歯間部のケアに特化した洗浄器は初体験だったので、さっそく試してみました。
実際に使ってみると、気になっていた食渣はほぼキレイに洗い流してくれるので、食後に歯間部に食渣が溜まる不快感を払拭させるのに適していると感じました。私の場合は、夕食後に『パワーフロッサー』で大きな食渣を落としてから、寝る前に『ソニッケアー』で歯面や口腔内全体を清掃する順序で使用していました。ノズルはストレートとカドストリームの2種類がありますが、カドストリームノズルのラバー部分がちょうど位置決め用のガイドの役目を果たしてくれて、狙った方向に水流を向けられるので、主にそちらを選んで使っていました。水流のパワーはかなり強くて、その強さが汚れを除去する秘訣と感じつつも、私の場合、いちばん弱いモードでも十分気になる食渣は取れていると感じました。
使用する際のポイントは、まず水流が当たらないことには食渣は落ちないので、意図した方向に当たっている時間と面積を増やすことだと思います。ですから、止まらずにずっと水流が出続けるクリーンモードの方が私の好みに合っていました。
より衛生的に保つため、使い終わった後は水タンクを取り外し、中身を空にしています。
普段頻繁にフロスをしていても、う蝕になってしまう矯正患者さんはたくさんいらっしゃいます。フロスは意外と使い方が難しくテクニックが必要なツールです。そのような時、歯間部や歯頸部の大きな汚れを洗い流してくれる『パワーフロッサー』のような補助ツールは役立ちます。使用後はすっきりした爽快感も感じられるので、治療継続へのモチベーションアップの意味も込めて、今後患者さんにご提案できればと考えています。

  • [写真] 『パワーフロッサー』使用前の臼歯部の状態
    症例1-1 『パワーフロッサー』使用前の臼歯部の状態。バンド部分には多くの食渣が確認できる。
  • [写真] 『パワーフロッサー』使用後
    症例1-2 『パワーフロッサー』使用後。食渣はほぼ取り除けていることが分かる。『ソニッケアー』使用前に大きな食渣を取り除いておく。
  • [写真] 舌側面
    症例1-3 舌側面から見ても食渣の滞留は見られない。
  • [写真] デラクルズシーボーグ 楓先生の口腔内
    症例1-4 デラクルズシーボーグ 楓先生の口腔内。染め出し前に『パワーフロッサー』を使用。(パワー2、クリーンモード、カドストリームノズル)
  • [写真] 染め出し後の状態
    症例1-5 染め出し後の状態。歯頸部を意識して『パワーフロッサー』を使用した結果、同部のプラークはほぼ除去できている。
  • [写真] 『パワーフロッサー』を使用した後に『ソニッケアー』で仕上げ磨き
    症例1-6 ブラケット周辺を意識して『パワーフロッサー』を使用した後に『ソニッケアー』で仕上げ磨き。(『プレミアムオールインワンブラシ』使用)

<歯科衛生士 喜屋武 利香/柴田 恵>

2015年に発売された『エアーフロスウルトラ』※(以下:『エアーフロス』)は、自分たちで試してみて予想以上の爽快感を得ることができたので、これまで矯正患者さんへのセルフケアツールとしてお勧めしてきました。今回は、その後継機種として新たに発売された『パワーフロッサー』の使用感についてお話したいと思います。
[写真] アドベンチストメディカルセンター歯科のスタッフの皆様従来の『エアーフロス』と『パワーフロッサー』の最大の違いは、『エアーフロス』が水と空気による噴射なのに対して、『パワーフロッサー』は水の力だけを使って歯間の汚れやプラークを除去する点です。実際に試してみると『パワーフロッサー』の方がはるかに水量が多く、その水流によって食渣や柔らかいプラークをキレイに洗い流してくれます。使い初めはパワーが少し強いと感じましたが、3段階の調整機能があるので、最初は弱めに設定して、慣れてから強くしていくと良いと思います。水量はかなり多いので、口から水がこぼれてもいいように最初はお風呂で使っていましたが、今回『パワーフロッサー』を試していた他のスタッフから、「口をギュッと閉じて2歯ずつを目安に当てて口の中に水が溜まったら、いったん機械を止めて吐き出すようにすると一滴も口からこぼれなかった」という方法を聞いて、「なるほど、それなら場所を選ばず使用できる」と目からウロコの発見でした。
当て方については、水流が正面からきちんと歯間部や歯頸部に当たることが大切ですから、歯科医療従事者による丁寧な指導が必要だと思います。
今回、『パワーフロッサー』を使うだけで歯間部に爽快感が感じられましたが、歯面や口腔全体の清掃には『ソニッケアー』との併用が良いと感じました。今後、当病院に来院する矯正患者さんを中心にご紹介できればと考えています。

※歯科流通の『エアーフロス』シリーズは販売を終了しています。

デラクルズシーボーグ 楓先生と、歯科衛生士の喜屋武さんと柴田さんのお話は「DENTAL LIFE DESIGN」でもご覧いただけます。

  • [写真] 16歳女性 食後、歯磨きなしで染め出しした状態
    症例2-1 16歳女性。以前、矯正治療を行った患者さん。食後、歯磨きなしで染め出しした状態。
  • [写真] 左側に『パワーフロッサー』、右側に『エアーフロス』を使用し、除去の程度を比較
    症例2-2 左側に『パワーフロッサー』、右側に『エアーフロス』を使用し、除去の程度を比較。
  • [写真] 左側の拡大写真
    症例2-3 左側の拡大写真。『パワーフロッサー』は『エアーフロス』に比べて水量があり、プラークや食渣の除去に適していると感じる。
  • [写真] 上顎の状態
    症例2-4 上顎の状態。歯頸部のプラークが除去しきれていない部分が見られたので、再度『パワーフロッサー』を使用。当てる角度と時間によって除去率は異なるので術者による指導が大切である。
  • [写真] 下顎の状態
    症例2-5 下顎の状態。隣接面のプラークが除去できているかを確認するため、フロスを使用してみたところ、プラークの付着は見られなかった。
  • [写真] 最後に『ソニッケアー』で仕上げ磨きを行った状態
    症例2-6 最後に『ソニッケアー』で仕上げ磨きを行った。(『ホワイトプラスブラシコンパクト』使用)

同じ筆者の記事を探す
【 喜屋武 利香 】

モリタ友の会会員限定記事

同じ筆者の記事を探す
【 柴田 恵 】

モリタ友の会会員限定記事

目 次

モリタ友の会会員限定記事

他の記事を探す

モリタ友の会

セミナー情報

セミナー検索はこちら

会員登録した方のみ、
限定コンテンツ・サービスが無料で利用可能

  • digitalDO internet ONLINE CATALOG
  • Dental Life Design
  • One To One Club
  • pd style

オンラインカタログでの製品の価格チェックやすべての記事の閲覧、臨床や経営に役立つメールマガジンを受け取ることができます。

商品のモニター参加や、新製品・優良品のご提供、セミナー優待割引のある、もっとお得な有料会員サービスもあります。