試適後、そのまま接着していませんか?接着前に確認したい「清掃」のポイント
CAD/CAM冠やジルコニアなどの補綴装置。
「接着操作は手順どおりに行っているのに、なぜか脱離してしまう……」
そんなご経験はありませんか?
脱離にはさまざまな原因がありますが、意外と見落としやすいのが「口腔内で試適したあとの補綴装置の状態」です。
実は、口腔内で試適すると、補綴装置の接着面には唾液や血液、浸出液などの接着を邪魔する汚れ(接着阻害因子)が付着します。
脱離の要因にはさまざまあり、一概には言えませんが、この接着阻害因子が脱離を引き起こしている可能性も・・・
今回は脱離の可能性を最小限に抑えるべく、試適後に必ず行っていただきたい「清掃」についてご紹介します。
また、「清掃するにもサンドブラストをもっていない」「サンドブラストはないけど、リン酸処理はしているよ」という先生方にもぜひ読んでいただきたいです!
この記事の目次
試適による「見えない汚染」が接着を左右する
技工所から届いた補綴装置。
技工所で適切にサンドブラスト処理がされていても、口腔内で試適した瞬間から、接着面には唾液などの接着阻害因子が付着します。
試適後にこの汚れが残ったまま接着システムに移ると、本来の性能から約40%も接着力が低下してしまうことがわかっています。

この接着阻害因子を取り除き、接着力を取り戻すために有効な「サンドブラスト処理」ですが
「技工所でサンドブラスト処理をしているからOK」「リン酸処理しているから大丈夫」 という先生方は、ご注意いただきたいです。
どんなにきれいな状態の支台歯でも、口腔内で試適すれば、接着阻害因子(唾液・血液・浸出液・プラークなど)が付着していしまいます。
この低下してしまった接着力をもとの状態に戻すには、試適後に、接着前の清掃を行うしかないのです!
「リン酸処理をしているからOK」ではありません
「サンドブラストは持っていないので、リン酸処理をしている」というご相談もよくいただくのですが、本来エッチングに使用するリン酸処理であるため、試適後の汚染除去を目的とする場合は、被着体や接着システムに応じた清掃方法を選ぶ必要があります。
ジルコニアに対するリン酸処理
- 唾液由来の蛋白質(接着阻害因子)は除去しきれない可能性がある
- リンを含む成分が表面に残ると、MDP系材料の接着を阻害する可能性がある
歯質に対するリン酸処理
- 万が一象牙質に付着した場合には過脱灰を引き起こす可能性がある
リン酸の目的は「エッチング」のため、「清掃」とは分けて考える必要がありますね。
「カタナクリーナー」で「清掃」という選択肢
そこで、歯質・補綴装置を問わずオールマイティーに清掃可能となるのが
歯科用クリーニング材「カタナクリーナー」です!
「カタナクリーナー」は歯質・補綴装置を問わず、これ1本で、接着阻害因子となる
水に溶け出しにくい汚れも浮かし出し、除去することができる「清掃」のためのクリーナーです。
イメージはこのような感じです↓
操作もとても簡単で、塗布(10秒以上こすり塗り)→水洗・乾燥→接着操作 の3ステップのみ!

唾液などの汚染物質の付着によって、約40%下がった接着率が、
カタナクリーナーでこすり塗布(10秒以上)による汚染面の清掃を行うことで、接着性がほぼ汚染前の状態に!
![[グラフ] 接着性の違い](https://cdn01.dental-plaza.com/with/2026/10/k_clearner_img05-700x309.png)
サンドブラスは不要になるの?
ここでまず整理しておきたいのですが、サンドブラスト処理には、大きく分けて2つの役割があります。
1つ目は、接着面を粗造化すること。
→補綴装置の表面に微細な凹凸をつくることで、接着材との機械的な嵌合を得やすくする役割
2つ目は、接着面に付着した汚れを除去すること。
→接着阻害因子を除去して接着力を高めるための清掃の役割

つまり、「清掃」を目的とするならば、カタナクリーナーを使用した場合、サンドブラスト処理は不要となります。
併用する必要はなく、口腔内試適後、サンドブラスト処理もしくはカタナクリーナーのどちらかをご活用くださいませ。
「サンドブラストがない」という場合は、ぜひカタナクリーナーで清掃を行ってください!

ただし、補綴装置に機械的嵌合を与えるためには、サンドブラスト処理は必須作業です。
「サンドブラストの代わり」にはなりませんので、ご注意ください。
※サンドブラストによる表面処理は、使用する補綴材料ごとの「適圧」や処理の「タイミング」にが接着長期予後に影響します。
詳しくは『接着長期予後に影響!サンドブラスト処理の「適圧」と「タイミング」とは?』もご確認ください。
試適後の「ひと手間」が脱離リスクの軽減に!
「手順通りに行っているが、脱離が起こってしまう」 ・・それはもしかすると、接着阻害因子の影響で本来の接着性能が阻害されているからかもしれません。
接着操作には気をつけていても、意外と見落としがちな試適後の清掃。
接着面を適切に処理し、試適後の接着阻害因子もしっかり除去してから接着へ。
脱離のリスクを少しでも軽減するため、ぜひ接着の前に、補綴装置の「試適後」にも目を向けてみてください。
