125号 SUMMER 目次を見る
■目 次
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7年前に開業して以来、ドクターとスタッフの緊密なチーム医療があれば、つねに治療の質を向上させることができるという信念を忘れず、診療を続けています。
患者さんの視点に立って、EBM(根拠に基づいた医療)、カウンセリング、インフォームドコンセントを重視し、MI(ミニマル・インターベンション)、包括的医療を実践することに、私は医療人としての使命感を強く感じています。
私がこのように考えるように至ったのは、修業時代から現在まで、公私にわたってお世話になっている恩師の守口憲三先生と大先輩の近藤公一郎先生のご指導の賜です。
しかし、どのような強い信念も実践できなければ意味がありません。現在、全スタッフが、内科医師、医療コンサルタント、フリーの歯科衛生士、薬剤師、歯科技工士をまじえた勉強会に毎月参加し、高度な技術を研鑽し合いながら、チーム医療に取り組んでいるところです。
とりわけ、専任のカウンセリング・スタッフとして活動する歯科衛生士の存在と役割は重要です。このカウンセリング・スタッフは、初診時に患者さんの要望や問題点などを聞き取ったレポートを作成し、ドクターに報告します。このレポートの情報は、スタッフ全員で共有されて、今後の診療指針として、臨床にフィードバックされています。
また、施設としては一般の診療室とは別に、初診時のカウンセリング、インプラントのオペ、審美修復治療などを行うインプラントルームと、歯科衛生士のクリーニングやプロケア、予防を行うメンテナンスルームを設置しています。
このように、私たちがめざしているのは、咬合、インプラント、予防、審美、機能、矯正、メンテナンス、訪問診療までをシステマティックに行いながら、医療のスペシャリストがそれぞれの役割を分担できる総合歯科医院の実現です。
そのインフラとなっているのは、言うまでもなく院内のデジタル化です。デジタル化の最大の利点は、「見える」ということだと私は考えています。
まず、術者にとっては、EBMに裏づけられた診断と治療ができること、つまり、患者さんの疾患や病態の原因や状況が確信をもって「見える」こと、そして治療プロセスが明瞭に「見える」ことです。患者さんにとっては、口腔内の状況が視覚的に把握でき、治療の必要性や緊急性が理解できますので、治療計画の信頼性や治療のゴールが「見える」ことが重要なポイントです。
この「見える」最先端治療を可能にしているのが、ベラビューエポックス3Dです。ベラビューエポックス3Dの魅力は、何よりも1台でパノラマ撮影、セファロ撮影、3D撮影ができることに尽きます。最先端のデジタルテクノロジーを駆使し、より少ないX線照射線量で、高品質の3D画像が得られる画期的なパノラマX線装置だと思います。
しかも、多彩な画像処理を行えば、インプラントをはじめ、根尖病巣、顎関節、埋伏歯などの、より多角的な観察、精査、診断が可能になるところも魅力です。
■症例1
患 者 34歳 女性
主 訴 右下臼歯部の機能障害及び7部の腫張
既往歴・家族歴 特記すべき事項なし
<口腔内所見と治療計画>
口腔内所見において、右下臼歯部654の欠損及び7部頬側歯肉に腫張が認められたため、7の頬側よりボーンサウンディング及び浸麻下より根面を触診したところ、歯根遠心部より近心根にむかって広範囲に歯根破折が認められた。
そこで患者様に7の抜歯とインプラント治療、費用について説明したところ、インプラントを2本埋入し、654の治療を終えた後、予算が付き次第、7のインプラント治療を行うことで同意を得ることができた。
<処置並びに経過>
7抜歯後、腫張の消失を待ち、創傷の治療を行った後、CT撮影によりオトガイループの位置、下顎管までの距離を確認しインプラント埋入手術へと移行した。
CTの導入により、2次元的なパノラマの情報だけでなく、3次元的な情報が見たい部分を見たいときに入手できるようになったことは、例えて言うならば、視力が悪い私が眼鏡を初めて使用した時に目の前の世界が違って見えた時と同じくらいの感動を覚え、また術者として大きな安心感を得ることができた。
歯科治療における新三種の神器の1つと言われているCTは、今後インプラント治療等を行う上で必須のアイテムになるであろうと感じている。
私自身CTの有効活用の研究、新しいものへの取り組みと勉強にますます力を入れ、臨床に従事していきたいと思う。
初診時、7。歯肉が少しブヨブヨし臭いがする、痛みはないという主訴で来院。パノラマ撮影より、同部位遠心部にカリエス様透過像が見える。-
インプラント術後のパノラマ画像。
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