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Interview

片麻痺の当事者になって再認識した口腔ケアの重要性と清掃のポイント

鶴見大学歯学部 口腔顎顔面外科学講座 准教授 川口 浩司

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目 次

  • [写真] 神奈川県三浦郡 ナカエ歯科クリニック 院長 前畑 香
    鶴見大学歯学部
    口腔顎顔面外科学講座
    准教授 川口 浩司

口腔外科医として口腔がん患者の治療に数多く携わってきた鶴見大学歯学部附属病院の川口浩司先生は、2023年に脳出血を発症し、右半身に麻痺が残る後遺症を負われました。入院、リハビリ生活を通じて実感した口腔ケアの重要性や、手指が不自由な方の口腔清掃のポイントなどについて伺いました。

現在の川口先生のお身体の状態について教えていただけますか

2年前に脳出血で倒れ、ICU(集中治療室)に10日間入院し、その後、一般病棟を経てリハビリ病院へ。自宅に戻ってからもリハビリを続け、現在では職場にも復帰し、学生への講義も行っています。先日は舌がんのオペにも入りました。利き手である右手が麻痺しているため、以前のようにオペをするわけにはいきませんが、補助的な役割として参加しています。これまで口腔外科医として、術後の患者さんを数多く診てきて、周術期の口腔ケアの大切さは理解しているつもりでしたが、私自身が入院し、あらためてその重要性を実感しました。

入院中にどんな経験をされたのでしょうか

ICUでは集中管理が最優先です。そのため、どうしても口腔ケアまでは充分に行き届いていないことがあります。入院11日目に一般病棟に移った時、おそらく歯肉炎の悪化だったと思うのですが、一瞬、白血病を疑うほど、歯肉からの出血がひどい状態でした。ICUでもスポンジブラシによる口腔ケアを行っていました。たった10日でこれほど口腔内が悪化するとは思いませんでした。これは私が稀なケースということではなく、ICUにある程度の期間、入院する患者さんは多かれ少なかれ、同じような体験をされるのではないかと思います。私はそこで以前から使用していた「ソニッケアー」を家族に持って来てもらい、1日3回磨くようにしたら、2週間ほどで歯肉からの出血は治まりました。利き手がうまく使えない入院生活の中で「ソニッケアー」には本当に助けられました。

リハビリ病院での入院生活中でも、口腔ケアの重要性を体感されたそうですね

リハビリ病院では、きちんと口腔ケアを行っていました。高齢の患者さんが多い病棟でしたが、肺炎になる方はほとんどいないということでした。最近では、どの病院も口腔ケアの重要性については認識されていると思います。口腔ケアを徹底することで、極力患者さんの体の状態を良好に保てますので、ぜひ続けていただきたいと思います。

  • [写真] 復帰後、初めてオペに参加する川口先生
    脳出血後、約1年半のリハビリを経てオペに復帰。写真は復帰後、初めてオペに参加する川口先生。
  • [写真] 「ソニッケアー」を使用している様子
    「ソニッケアー」を使用している様子。「ハンドルが把持しやすく、利き手ではない手でも的確に磨くことができます」と川口先生。
  • [写真] 「プレミアムオールインワンブラシ」と「ホワイトプラス コンパクトブラシ」
    川口先生が使用している替ブラシ「プレミアムオールインワンブラシ」と「ホワイトプラス コンパクトブラシ」。ネックとブラシが細いため、麻痺側の臼歯部も磨きやすい。

あらためて口腔ケアの重要性についてお聞かせください

歯磨きを怠ると、誤嚥性肺炎を起こしたり、歯肉炎が進行して膿が出ることがあります。さらに、歯から脳までの距離はたった10cmほどで、悪い条件が重なれば、口から入った病原体が脳炎を引き起こすこともあります。鶴見大学歯学部附属病院では、周術期管理として専門的口腔ケアをすべての患者さんに歯科衛生士が実施しています。特に口腔がんの患者さんにおいて、創部に配慮した口腔ケアが必要な場合は歯科医師が担当しています。術後感染予防のため、口腔ケアを重要なものとして位置づけています。

川口先生は、現在どのように口腔ケアを行っているのでしょうか

長年、「ソニッケアー」を使っています。もともとは、オペが続くと日中に歯磨きをする余裕がなく、せめて朝と夜だけはしっかり磨こうと使い始めたのがきっかけです。加えて、口腔洗浄器、歯間ブラシ、洗口液なども使用しています。

麻痺がある方が「ソニッケアー」を使うメリットを教えてください

[写真] 川口先生

私は脳の左側で出血が起こり、今も右半身に麻痺が残ったままです。リハビリを重ねて少しずつ症状が軽くなってはいるものの、口腔内は右側の感覚がありません。そんな状況において、「ソニッケアー」を使うメリットは、まず片手でもしっかりと磨けることです。特に私は利き手である右手に麻痺があるため、左手でブラッシングを行いますが、細かい動きや力加減が難しく、手磨きではとてもきっちりと磨くことはできません。また、麻痺している側はほとんど感覚がないので、ブラシが歯に当たっているかどうかが感知できません。しかし、「ソニッケアー」はハンドルが把持しやすいのでコントロールが利き、ネックやブラシが細いため、奥まで確実に磨くことができます。新型モデル「ソニッケアー6100プロフェッショナル」はよりコンパクトになって手に馴染みやすいと感じています。軽量にもなったので、筋力が弱い方でも磨きやすいのではないでしょうか。

口腔洗浄器も使っていらっしゃると伺いました

歯間に溜まる食物残渣を除去するには、口腔洗浄器が有効だと思います。私は入院中に使い始めたのですが、「ソニッケアー コードレスパワーフロッサー3000」(以下:パワーフロッサー)は、4方向に広がるX型水流で、歯間に残った食物残渣を効果的に除去できるようになりました。また、ノズル先端のラバー部分がガイドの役目を果たし、麻痺がある私でも狙った場所に当てやすい点が気に入っています。注水口がタンクの横についていることなどから、片手でも操作がしやすい点も助かっています。

最後に、川口先生のように麻痺がある患者さんに対して、口腔ケアについてアドバイスされるとしたら、どんなことをお伝えされますか

特別、高性能の機種を選ぶ必要はないと思いますが、電動歯ブラシの使用をお勧めします。片麻痺の患者さんの場合、手動でブラッシングをすると、感覚がない分、「もっと磨かなければ」と力を入れすぎて、歯肉を傷つける恐れがあります。過圧防止センサーが搭載されているタイプなら、歯肉を傷つけるリスクが軽減されます。電動歯ブラシは手磨きの歯ブラシよりもコストがかかると感じるかもしれませんが、一度購入すれば、数年は使用できるため、それほど大きな負担ではないとも言えます。私自身、身に染みて感じているのは、口腔ケアもリハビリの一つだということ。口は栄養を摂るための入り口であり、会話をしてコミュニケーションを取るためにも重要な役割を果たします。そうした口の機能を維持するためにも、口腔ケアの大切さを理解され、日々取り組んでいただきたいと感じています。

  • [写真] 「パワーフロッサー」を使用している様子
    「パワーフロッサー」を使用している様子。X型水流が歯間の食物残渣をしっかりと落とす。
  • [写真] 「パワーフロッサー」の注水口
    「パワーフロッサー」の注水口は片手でも操作がしやすい。
  • [写真] 川口先生の研究室に置かれた口腔ケアグッズ
    川口先生の研究室に置かれた口腔ケアグッズ。忙しい合間であっても歯磨きをするように心がけている。

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