歯科衛生士を目指す学生さんの授業風景を拝見！今回は、愛知学院大学短期大学部 歯科衛生学科に伺い、来春に卒業、就職を控えた3年次の学生さんの臨床実習に密着。歯間清掃用具を活用した口腔清掃の実習の模様をご紹介します。さらに、学生さんと先生に歯間部プラークコントロールの重要性について、それぞれの想いを伺いました。

この日行われたのは、歯周病科の臨床実習のひとつで、『口腔清掃習慣（歯周組織）に関する自己評価』という課題にもとづく歯間清掃法についての実習です。講師は歯周病学がご専門の稲垣幸司先生。
学生さんは臨床実習の初日に口腔内写真を撮影し、歯周組織を評価、歯ブラシやデンタルフロスをはじめ、歯間清掃用具を使った歯間清掃法の習得・実践を行いました。「3週間にわたる臨床実習で、歯肉の炎症、くいしばりによる舌、頰粘膜の圧痕、骨隆起、歯肉、口唇のメラニン色素沈着などについて、実習前に撮影した写真と比較しながら、清掃習慣と口腔の状態を客観的に評価することがおもな目的です」と稲垣先生。
なかでも今回の実習では、歯間ブラシ、ウルトラフロス、タフトブラシの3つのアイテムの使い方を学びました。歯間ブラシでは、先生から正しい挿入角度や動かし方などのレクチャーを受けた後、学生さんは手鏡をみながら挑戦。最初は戸惑いながらも、先生の個別指導を受けながら、正しい使い方を身につけていました。歯間清掃のスキルアップと、自身の体験を通じて歯間清掃を必要とする患者さんへの理解を深めました。

口腔の状態と姿勢の関係を学ぶ

まずは唇の大きさや色などの状態から、口呼吸の有無、口腔内の乾燥や噛み合わせに関する各自の状態をチェック。「口呼吸はくいしばりを引き起こし、肩こりや目の疲れの原因にもなります」と稲垣先生が説明。口腔状態と姿勢の関係や、姿勢の矯正法を学びました。

清掃習慣と口腔の状態の変化を確認

1週間前に撮影した口腔内写真と清掃習慣のチェック表を照らし合わせて、口腔の状態の変化を比較。ミラーを使って舌側、口蓋側の腫れや出血、口呼吸による歯面の着色の有無などを細かく評価しました。なかには1週間前より改善傾向がみられる学生さんもおられました。

歯間に適した歯間ブラシを選択し、個別に実習

歯間ブラシのレクチャーでは、稲垣先生が試作中の歯間ブラシサイズチェッカーを使って、それぞれの歯間の目安を確認。また模型とプローブを使った患者さんへの指導法も学びました。
歯間ブラシサイズチェッカーを使って歯間のサイズを確認。それぞれの歯間に合わせて「4S」や「3S」のサイズの歯間ブラシを選択します。その後、歯間ブラシが挿入しやすい下顎の前歯、小臼歯、大臼歯から上顎へと使い方を学んだ後、個別に実習。「歯間ブラシを使う難しさを自ら体験し、患者さんの気持ちを理解してあげることが大切です」と稲垣先生。

歯間ブラシを使う時の注意点を確認

歯間ブラシの製品資料を見ながら、先生の説明に真剣に耳を傾ける学生さん。歯間ブラシのサイズや使用上の注意点、誤用によるリスク、歯間ブラシの交換時期などを確認しました。
最後にタフトブラシの使い方や適応する部位を確認。「ハンドルをまっすぐに持って、歯頸部の汚れをはくように」という先生の声がけに合わせて、手鏡をみながら個別に実習を行いました。