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未来を担う子どもの健やかな成長をサポートする0歳からの健口教育

岡山県岡山市 岡山ワイズ小児・矯正歯科 院長 仲村 陽平/副院長  仲村 有香/小児歯科学会認定歯科衛生士  福嶋 藍子

■目 次

岡山県岡山市 岡山ワイズ小児・矯正歯科

  • [写真] 院長 仲村 陽平
    院長
    仲村 陽平
  • [写真] 副院長 仲村 有香
    副院長
    仲村 有香
  • [写真] 小児歯科学会認定歯科衛生士 福嶋 藍子
    小児歯科学会認定歯科衛生士
    福嶋 藍子

<仲村陽平 院長>
当院の理念は「子どもが変われば未来が変わる」です。この理念を実現するためにクリニックを開院しました。この地域で小児矯正歯科を診療のメインにするにあたり、一番に考えたのは「親が子どもを通わせたいと思う医院づくり」です。歯科医院特有の匂いや子どもの泣き声を分離し、患者さんが心地よく過ごせる空間を意識しました。
0歳児から通ってもらうためには「当院でしかできない」体験づくりも必要です。その一つが院内のエントランスに設置した巨大な鉄道模型です。駐車場からお子さんが電車を見つけて駆け寄り「電車を動かしたい!」という動機付けを促します。そして診療後に(電車を動かせるコインを受け取り)「お口の健康にアプローチできた成果」を得るという成功体験につなげています。
医院名の「Y’s(ワイズ)」という言葉には、『堅実な』という意味の他に、『方向づける』という意味があります。これからの未来を担う子どもたちが、より一層良い方向に向かうためのお手伝いをお口の中からサポートさせていただきたい・・・。そんな願いからワイズと名付けました。成長を3、4ヵ月ごとに見続けながら、通院してもらう中で自立心や個性を育み、お子さんの可能性を最大限化することが目標です。
そのなかで全身の健康と機能に着目した矯正治療に取り組み、不正咬合の大きな原因になる、姿勢、呼吸、睡眠、栄養面など歯科の領域を超えた多面的なアプローチで、成長過程にあるお子さんをサポートしています。0歳児からの通院を奨める理由は、良い方向への成長、悪い方向への成長を早期に見極めて、ベストな成長を導くからです。そして悪い歯並びの原因になる習慣を正しい習慣に導くためです。
また、10歳までに歯磨きの習慣化をつくることは、虫歯予防において最も効果的と考えています。これを手助けするために、当院ではメインテナンスのたびに歯の染め出しを行い、ご家庭でも目標になるプラークの箇所を明確にすることをご提案しています。こうした習慣を小児の段階から少しずつ積み重ねていくには、定期検診を塾や学校のように捉え、当院に「通学」するという感覚を身につけてもらう工夫が欠かせません。
昔からよく言われているように子どもにとって歯科医院は、「痛いことをされるかもしれない楽しくない場所」というネガティブなイメージを持たれることが少なからずあったようです。一方、当院は子どもが「通院を楽しみにする場所」になっています。2012年の開院当時から通院しているお子さんのなかには今や世界などで活躍されている方もいらっしゃいます。これからも成長する子どもたちが、自分の夢を体現できるよう私たちが歯科のスペシャリストとして提供可能なサポートで寄り添って、その責任を果たしたいと思います。

  • [写真] 岡山県岡山市 岡山ワイズ小児・矯正歯科
    目指したのは「親御さんに選ばれる医院」。看板を一切出していないにも関わらず、つねに予約が取れない状態が続いている。
  • [写真] 医院の看板でもある巨大な電車の鉄道模型と医院名が刻まれたオリジナルコイン
    医院の看板でもある巨大な電車の鉄道模型と医院名が刻まれたオリジナルコイン。診療後にコインを受け取り、電車を走らせることができる。

<仲村有香 副院長>
最近注目されている小児口腔機能発達不全症をはじめ、口腔に問題を抱えるお子さんは少なくありません。「お口をポカンと開けている」「よく食べこぼす」「いつも姿勢が悪い」などの特徴がみられるお子さんの80%は、将来高齢となった時にオーラルフレイルになるリスクが高くなるといわれています。子どものときから、口腔機能の発達をサポートする必要があります。
私たちは機能矯正によって、機能美を確保することを重視しています。機能矯正では体軸からコントロールして正しい姿勢に導きます。横隔膜、気道、鼻腔を開いて正しい腹式呼吸に改善すると、顎が発達して歯並びが良くなり、よく噛んで食べ、よく話せるようになります。そうすると顔つきが良くなり、性格も前向きになる傾向があり、お子さんが健やかに成長する姿を見届けることができ喜ばしく思っています。
また、何よりもお子さん自身が治りたいと思う「自主性」が大切です。そして私たちがお子さんの「知りたい」「学びたい」という姿勢を伸ばすサポートをどこまでできるかだと思います。そのサポートの一つが食育・息育・足育をテーマにした「ベビー歯科教室」です。私自身、子どもの口腔と全身の関係について勉強すればするほど、自分の子育てを反省することがあります。この「ベビー歯科教室」では、そんな先輩ママの教訓として、お子さんが健やかに成長するために“今”できることを、保育士の資格などを持つスタッフを通じて、お母さんたちにお伝えしていきたいです。

    • [写真] 子どもの不安を和らげる、明るく開放的な診療室
    • [写真] 子どもの不安を和らげる、明るく開放的な診療室
    子どもの不安を和らげる、明るく開放的な診療室。診療中は楽しそうな笑い声が響く。
  • [写真] 調理専門スタッフ手づくりの食事
    スタッフの健康にも配慮し、ランチタイムは調理専門スタッフ手づくりの食事を提供。毎日30品目以上の栄養を摂取できる工夫がされている。食育を実践するものとして、働くスタッフが健康でないと患者さんに健康指導はできないという仲村院長のスタッフへの心遣いが伺える。

さまざまなスキルを持ち活躍するスタッフの皆さん

[写真] ベビー教室や矯正治療トレーニングの様子[写真] ベビー教室や矯正治療トレーニングの様子

子どもたちの笑顔を引き出し、同院の診療を支えているのが11名のスタッフの皆さん。歯科衛生士や助手、受付の役割のほかに、保育士や管理栄養士、栄養士、オーラルフィットネストレーナーの資格や、事務、クリエティブ作業など、それぞれのスタッフが得意なスキルを活かし、セミナー等の企画、運営をしたりと活躍しています。
「小児の治療では、いろんなお子さんに合わせたアプローチが大切です。一人ひとりの個性に寄り添いながら、伝わりやすい言葉で声がけし、お子さんの内面に気づきを与えたり、成長をサポートしてくれるスタッフの存在は欠かせません」(仲村院長・副院長)。

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