会員登録

197号 SUMMER 目次を見る

Interview

女性歯科医療従事者の新たな雇用創出や復職をサポート

Dental Woman & partner 代表取締役社長 小野 真由/取締役 小野 雄大

PDFダウンロード

目 次

Dental Woman & partner

  • [写真] 代表取締役社長 小野 真由
    代表取締役社長
    小野 真由
  • [写真] 取締役 小野 雄大
    取締役
    小野 雄大

近年、歯科業界においても人材不足が深刻化しています。優秀な人材の採用と定着は歯科医院経営の大きなカギとなります。そこで、人材紹介や復職支援、学生教育の現場に携わっておられる小野真由先生と小野雄大先生に、女性歯科医療従事者の復職、採用、雇用をテーマにお話を伺いました。

Dental Woman & partner の設立経緯について
教えてください

小野(真) もともとは名古屋で歯科医師として勤務していました。結婚を機に大阪に移ってきたのですが、当時2人の子供を育てながら復職するのはとても大変でした。求人サイトで調べると良いことばかりが書いてあって、実際に医院見学に行っても院内の様子やスタッフの働きぶりなどが良くわからず、不安を覚えました。そこで、私のように復職に悩む方々をサポートしていくことを思い立ちました。一方、主人の雄大は病院で口腔外科医として勤務する傍ら、歯科衛生士学校の講師として10年以上教壇に立ち、歯科衛生士を目指す学生や歯科衛生士の現状について思うところがあったようです。ちょうど私が3人目の子供を出産し、落ち着いた頃に、「女性のための人材紹介と復職支援の会社を立ち上げたいので、サポートしてほしい」と言われたことがきっかけで、2024年4月に女性歯科医療従事者のための復職・転職支援会社「Dental Woman & partner」を2人で起業しました。
小野(雄) 歯科衛生士学校の10数年前の教え子のうち、すでに半数近くは歯科衛生士として働いていません。それにはいろんな理由があると思いますが、学校では国家試験向けの教育が最優先になりますから、就職後のサポートまで対応が難しいのが現実でしょう。そこで、歯科医院に勤務した後に彼女たちを支援できる何らかの受け皿があれば、現状を少しでも変えることができるのでは、という思いを常に持っていました。

歯科衛生士の人材不足の理由についてお聞かせください

[写真] Dental Woman & partner 代表取締役社長 小野 真由小野(真) 少子化による労働人口の減少と、歯科衛生士学校の卒業生数が需要に追いついていないことが大きな原因だと感じています。また、歯科衛生士は現在約99%が女性です。結婚や出産を機に離職する方が多く、その後復職した場合でも別の職種を選ぶ方が多い印象です。その理由として、特にパート勤務だと時給換算になりますから、日中は長く働いて夕方の早い時間に帰りたいんです。しかし、そうした要望に沿う歯科医院は少なく、その結果、別の職種を選んでしまう傾向があると思います。求職者の方に勤務先に求める条件を挙げてもらうと、最初に出てくるのは勤務時間に関する要望です。特に、子育て中の方は早く退勤できることが第一条件で、18時診療終了、18時半に退勤できる歯科医院の人気が高いですね。

勤務時間以外の点ではいかがでしょうか

小野(真) 教育体制の整備が不十分と感じる歯科医院が多い印象です。1つの医院で学べることは限られていると思います。近年、将来に備えてスキルアップを求める歯科衛生士は増えています。新たな知識や技術を得るために院内セミナーを定期的に開催している医院や、院外セミナーの受講費用を負担してくれる歯科医院は人気があります。また、求職者の方は給与面や福利厚生だけではなく、院内の雰囲気や働きやすさ、今後自分が成長できる環境かどうかを注視しています。そういう意味では、歯科衛生士が歯科医院を選ぶ時代に変わってきたと感じます。

選ばれる歯科医院になるために必要な要素とは何でしょう

小野(真) まずは医院の方針や理念を明確に求職者に伝えることです。私が院長先生や求職者の方に必ずお伝えするのは、「お互いの考えが合わなければ、長く勤めることは難しい」ということです。そこで、求職者の方には、面接の際に院長先生の理念をお聞きして、その考えに賛同できるかどうかを十分検討するように、とお伝えしています。また、院内を見学される際には、自分や家族が受診したいと思える医院かどうかを確認するために、感染対策や消毒・滅菌設備などを見極める目を持つように、ということもお話ししています。一方、院長先生には上記に加えて、教育制度や評価システムについてもできるだけ詳しく説明いただくことをお願いしています。評価方法が不透明だと、不公平感や努力が報われないと感じて、せっかく採用してもすぐに離職してしまう傾向があります。

採用で失敗しないためのポイントを教えてください

[写真] Dental Woman & partner 取締役 小野 雄大 小野(雄) まずは採用基準を明確にして、医院の理念や方針に合った人材を選ぶことです。さらに、医院見学や面接を丁寧に行うこと。求職者の価値観や人柄を把握することでミスマッチを減らすことができます。また、先述したようにSNSや求人サイトなどによる情報発信を積極的に行って、医院の魅力や院内の雰囲気をアピールすることがポイントです。さらに、特にお伝えしておきたいのは、「人材に困っている時は、あえて人探しをしない」ということです。人材に困っていると、焦りから見る目も曇ってしまい、ミスマッチが起きやすくなってしまいます。
小野(真) 確かに人材に困っておられない院長先生は、焦らずに長い目で良い人材をずっと探しておられるイメージです。「今すぐは困っていないけれど、良い人がいたら紹介してくださいね」と言われる方も多いですね。

近年の求職者の傾向について感じるところをお聞かせください

小野(雄) 若い求職者の場合は、ネイルや髪型などの自由度の高さや、勤務時間を重視する傾向があります。給与面や安定性だけではなく、「自分らしく働ける場所」を求めていると感じます。もちろん職場の人間関係や自己成長の機会も重視しています。価値観やライフスタイルに対する考え方が、私たちの世代とは変わってきていると感じますね。
小野(真) 人によって違いはありますが、モチベーションが高い方の場合はスキルアップのために、教育体制を重視する方が多い印象です。事前にヒアリングした際に、「認定歯科衛生士を取得するためのサポートはありますか」とか「歯周治療に注力されている歯科医院を紹介してください」など、得意分野に磨きをかけていこうとされる歯科衛生士が増えていると感じます。

最後に今後の展望についてお聞かせください

小野(雄) 私たちはこの会社を通じて、女性歯科医療従事者の新たな雇用創出や復職をサポートしていきたいと考えています。現場では人手不足なのに、歯科医師でありながら歯科に携わっていない方が私の周囲にもたくさんいます。こんな残念なことはありません。今後はそうした眠った人材を発掘し、復職していく取り組みに引き続き注力していきたいと考えています。
小野(真) 復職を希望する方をサポートする取り組みを続けることが、歯科業界への貢献にも繋がります。患者さんの口腔の健康維持に寄与できるような歯科衛生士が少しでも増えることを願って、今後も新たな企画を展開していきたいですね。

  • [写真] Dental Woman & partner主催のセミナーの様子
    Dental Woman & partner主催のセミナーの様子
  • [写真] 無料復職セミナーの様子
    人材紹介で得た収益は、無料復職セミナー等を開催することで、求職者に還元している。
  • [写真] 顎模型を使ったSRP実習の様子
    高い技術を持つ歯科衛生士による、顎模型を使ったSRP実習の様子

目 次

モリタ友の会会員限定記事

他の記事を探す

モリタ友の会

セミナー情報

セミナー検索はこちら

会員登録した方のみ、
限定コンテンツ・サービスが無料で利用可能

  • digitalDO internet ONLINE CATALOG
  • Dental Life Design
  • One To One Club
  • pd style

オンラインカタログでの製品の価格チェックやすべての記事の閲覧、臨床や経営に役立つメールマガジンを受け取ることができます。

商品のモニター参加や、新製品・優良品のご提供、セミナー優待割引のある、もっとお得な有料会員サービスもあります。