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186号 AUTUMN 目次を見る

Interview

手用器具では届きにくい炎症性肉芽組織の除去に重宝しています

福岡県飯塚市 医療法人 ひぐちファミリー歯科 院長 樋口 琢善

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[写真] 福岡県飯塚市 医療法人 ひぐちファミリー歯科 院長 樋口 琢善 先生
[写真] 樋口 琢善 先生

現在当院では歯周治療をメインにEr:YAGレーザーを使用しており、その中でも特に歯周外科治療で使用しています。具体的には、殺菌や炎症性肉芽組織の除去を目的として、Er:YAGレーザーを用いてデブライドメントを行っています。その際に、“骨空”と呼ばれる微小な骨吸収部分に対してもアプローチすることで、骨髄腔からの出血を促し、さらに骨欠損内部に溜った血液にも、水とエアーを切った状態で照射を行うことで、血餅を安定させる効果も期待しています。また、フラップを開けない場合でも同様の効果を得られることを実感しており、さまざまな理由により歯周外科治療が困難な患者さんに対してもEr:YAGレーザーを使用して処置を行っています。
私がEr:YAGレーザーを使用するようになったのは、所属するスタディグループや学会ですでに活用されている先生方の話を伺い、自分もぜひ試してみたいということでデモ機をお借りしたことがきっかけです。実際にクリニックで使用してみたところ、使い勝手がよく、とりわけ歯周治療に対する有効性を感じて導入を決めました。
局所的に深い骨欠損の場合、手用器具だけでは目指す部位まで届きにくく苦労することもありましたが、Er:YAGレーザーは、まさに“かゆいところに手が届く”という言葉がぴったりで、目視できない部分まで炎症性肉芽組織を取り除くことができ非常に重宝しています。
骨吸収がみられる部位に対して骨を再生させる場合には、血餅が安定できる場を確保し、実際に骨をつくっていく元となる骨芽細胞をいかに導けるかが重要であり、その足場づくりの一端をEr:YAGレーザーが担っていると考えています。
導入から約7年が経ちましたが、Er:YAGレーザー照射後の状態を経年的にX線写真で比較しながら追ってみると、使用前と比べて治癒期間が早くなり、予後の経過も良くなっている様子がうかがえます。その理由としては、Er:YAGレーザーにより炎症性肉芽組織や縁下歯石をしっかり取り除けているということ、さらに口腔内細菌に対する殺菌効果が良好な予後に寄与しているのではないかと感じています。
一方、 歯周治療以外のEr:YAGレーザーの活用用途としては、メラニンやメタルタトゥーの除去があげられます。当院ではマイクロスコープを併用し拡大視野下で処置を行っていますが、迅速かつ的確にメラニンやメタルタトゥーを取り除くことができるので、患者さんにも喜んでいただけていると感じています。今後はEr:YAGレーザー活用の幅をさらに広げていきたいですね。

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