190号 AUTUMN 目次を見る
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佐賀県武雄市
まさよし歯科
院長 清本 真功
1990年に福岡県古賀市で開業。以来34年にわたって地域の皆さまに親しまれ、順調な歯科医師人生を歩んでこられた清本真功先生。このたび医院承継を視野に、故郷の佐賀県武雄市での移転開業を決意。医院設立にあたって、10年20年先を見据えたデジタル診療環境の構築を目指されました。
全面改装を含めると3度目の開業となる清本院長に、デジタル診療環境のメリットや、モリタが提案するデジタルクリニック構想を評価いただいた理由についてお話を伺いました。
フルデジタル化によって実現した、最適な診療環境とは
新たな医院設立でこだわったのは、これからの医療現場に対応できる環境づくりです。以前から付き合いがあるモリタが、歯科診療環境のDX化を積極的に推進していることは聞いていました。そこで、モリタの方に相談を持ちかけ、まずはDental Plaza Tokyo のショールームやコンセプトモデルクリニックを見学しました。そこで見たデジタル診療環境は、まさに衝撃的でしたね。正直、以前のクリニックは、足元も机の上もコードだらけ。動線も決してスムーズとは言えず、無駄な動きが多かったことを痛感しました。
さらに、普及が進むIOSをより効率的に活用するための新たなクリニック構想の提案がありました。資料採得コーナーやデジタルラボのコンセプトなど、私がイメージしていた10年20年先まで通用する診療環境ともマッチしており、この提案をもとに医院構想を練るべく、モリタに全面的にサポートしてもらうことになりました。
地域の方々が気軽に来院できる町の歯医者さんを目指し、故郷の武雄市に移転開業。1階はクリニック、2階は住居にした。
自動チェックインや自動精算機を導入したことで、無人でも対応できる受付スペース。
受付はスマートフォンの二次元バーコードをかざすだけで対応できる自動チェックインで待ち時間を短縮。
30余年の実績と最新のデジタルツールをフル活用して、新たな地で再出発
デジタル設備を導入した新しい医院は、2023年12月に佐賀県武雄市で開業しました。スタッフは私を含めて3人です。今後、増員する可能性はありますが、最新のデジタルツールを活用すれば、1人で多くの業務をこなせるようになるので、今のところ十分だと考えています。受付や精算は、自動チェックインや自動精算機を活用することで、マンパワーを削減しています。
動線については、モリタからの提案に大いに納得できたので、ほぼその配置を踏襲しています。初診やメインテナンスを行う資料採得コーナーは、受付や待合室から最も近い場所に設定。さらに、資料採得コーナーの至近距離にX線室も配置しています。消毒・印象コーナーは敢えてオープンにして、清潔感をキープ。可視化による安心感もメリットといえるでしょう。どこにも行き止まりがない回遊動線は私たちの要望でしたが、効率良く動けるので個人的には気に入っています。
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資料採得コーナーから近い場所にX線室を配置することで、患者さんの移動距離を最短に。
最終調整は自身で行ってきた清本院長のこだわりから、今回も技工室(パウダーエリア)を確保。
CERECを用いたIOS中心のデジタルクリニック
私が初めてCERECを導入したのは25年前です。当時はまだ、補綴物を歯科技工士が手作りしていた時代でしたので、口腔内のデータ採取から補綴物製作まで精巧に行えるCERECを見て、「これまで二次元のX線写真だけで行ってきた治療はなんだったんだ」と、とても驚きました。それでも最初は信じられなくて、手作業を加えることもあったんですよ。今やCERECの精度は格段に上がり、データ密度の高さや分析力、適合精度、データ管理に至るまで、デジタル化は必然の流れだと実感しました。患者さんにとってもデータ採取やセットにかかる時間的な負担が少なく、撮影したデータやカルテを目の前のモニターで一緒に確認できる状況は安心材料になると思います。
今後の目標は、従来の医療機器や治療法だけに頼らず、柔軟な考えでIOS中心のデジタルクリニックをつくりあげること。私は現在60歳ですが、この年齢だからこそ、これまでの知識や経験を活かしながら、自分でもエネルギッシュに動くことができます。これからの医療の現場は、治療から予防が見直される時代。最新の医療機器やシステムを導入することで、“歯科医院は怖いところ、痛いところ”というイメージを払拭して、町の美容院や理髪店のように気軽に通える歯医者さんを目指し、次世代へと繋いでいきたいと思っています。
デンタルオフィスコンピュータDOC-5 PROCYONで、患者さんの来院情報や診療状況をPCのモニター上で確認できる。
扉は敢えて設けず、可視化することで清潔性をアピール。奥はスタッフルームや受付に繋がる回遊動線となっている。
CAD/CAM草創期からCERECを活用してきた清本院長。今回も新型CERECシステムを導入し、さっそく運用をスタートされた。
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