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198号 AUTUMN 目次を見る

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Interview

6歳以上の小児う蝕予防に朗報フッ化物高濃度配合(1500ppmF以下)歯磨剤が使用可能に

東京都大田区 千葉歯科医院 院長 浜野 美幸

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目 次

  • [写真] 東京都大田区 千葉歯科医院 院長 浜野 美幸
    東京都大田区
    千葉歯科医院
    院長 浜野 美幸

う蝕予防ブランド「Check-Up」が、2026年に発売30周年を迎えます。また、時を同じくしてフッ化物濃度1450ppmFの学齢期用歯磨剤が新たに発売されました。そこで、長年小児歯科に携わって来られた浜野美幸先生に、「Check-Up」シリーズがう蝕予防に果たしてきた役割や、新製品の使用感などについてお話を伺いました。

いつ頃からCheck-Upシリーズをお使いですか

学生の頃は、「歯磨剤を使うとすぐに泡立って磨いた気になってしまう」という理由で歯磨剤を使わない「から磨き」が推奨された時代がありました。その後、私は東京歯科大学の卒後研修セミナーの学術委員として、歯磨剤や歯ブラシに関するセミナーの企画を行っていました。そこで、当時発売されたばかりの「Check-Up」を使い始めました。患者さんには「顔をマッサージする時にクリームやオイルを使うように、歯磨剤には歯や歯肉を保護する働きだけでなく、口臭予防やホワイトニング効果などが期待できること」を説明し、歯磨剤を使うための理解を得ていました。その頃から大学では、歯ブラシは目的に合わせて特定のブランドの製品を使っていたこともあって、「歯磨剤も成分を把握し、目的を持って使いましょう」という呼びかけを続けてきました。

歯磨剤にCheck-Upシリーズを選ばれた理由をお聞かせください

歯科医師は学生の時に使っていた製品を使い続ける傾向があると言われています。しかし私は、学生時代に複数のアルバイト先の歯科医院で、それぞれ違う製品を使う機会に恵まれました。そうして一つの製品にこだわらず、様々な製品を使ってきた結果、開業時には「Check-Up」を選択していたので、私の中でもこれがいちばん当院の診療方針に合っていると考えたのだと思います。医薬品医療機器等法では、フッ化物濃度の明示義務はありませんが、ライオン歯科材が販売する歯磨剤には「Check-Up」の発売以前から、フッ化物濃度が明示してありました。そこで当院では、患者さんに正しい歯磨きについて説明する時には、「フッ化物濃度が表示された歯磨剤を使っていただいた方がいいですよ」とご案内しています。

  • [写真] 1996年開業の千葉歯科医院
    1996年開業の千葉歯科医院。浜野美幸院長は大学在学当時から小児歯科に注力され、主に小児のう蝕予防に尽力されてきた。
  • [写真] 院内でお使いのCheck-Upシリーズと染め出し液
    院内でお使いのCheck-Upシリーズと染め出し液。お子さんの好みに合わせて様々な香味を取り揃えている。
  • [写真] 院内の説明ツール①
    院内の説明ツール①
    小さいお子さんに説明する際には、目で見てわかるようにイラスト入りのツールを使用している。

新製品「Check-Up junior シャインマスカット」「Check-Up gel オレンジソーダ」の使用感はいかがでしょうか

フレーバーのラインナップが豊富なことも「Check-Up」シリーズの魅力の一つです。今回発売された、「フッ素高滞留処方」を採用したフッ化物高濃度配合(1450ppmF)の歯磨剤「Check-Up junior シャインマスカット」とジェル「Check-Up gel オレンジソーダ」は、フレーバーにおいても期待の製品です。私は歯磨剤を製造している国内大手メーカーに、「ミント味以外で、味の薄いフレーバーの開発を検討してください」とお願いをし続けてきました。最近は昔よりも味に敏感なお子さんや、味にこだわりを持つお子さんが多くなっていると、40年近い臨床経験を通じて感じています。特に、シャインマスカット味は、本物のようなシャインマスカットの香りと味がして、甘すぎず、後味が口に残らないところが、実際に試してみて気に入っています。お子さんの立場から見ても、歯磨剤の味と香りにバリエーションがあることは、とても大切なことだと感じています。

Check-Up新製品はどのような点がポイントでしょう

文部科学省の学校保健統計調査(令和7年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果))によると、小児のう蝕は年々減少傾向にあります。その大きな理由の一つが「フッ化物配合歯磨剤の一般化」です。特に今回の「Check-Up」では、学齢期用として新たに1450ppmFの歯磨剤が追加になったこと。また、フッ素を口腔内に長くとどめるメーカー独自の「フッ素高滞留処方」が採用されています。これにより、歯の再石灰化が促進され、初期う蝕の進行防止に大きな効果が期待できると感じています。

小学校高学年~中学生は、歯科医院の受診が難しくなる時期と聞いていますが、どんな工夫が必要でしょうか

[写真] 浜野 先生幼少期からご自宅でのセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアがきちんとできていると、思春期を迎えても、「口の中がきれいだと気持ち良い」という心まで育っていて、良い状態を維持することができると思います。当院でも、そうしたお子さんの場合、中学生になっても、年に3回のフッ素塗布、定期健診は4か月ごとに受診しています。また、高校生までずっと定期健診を受診してきたお子さんの場合、現時点で良い状態を維持できていれば、「これからは年2回の健診でいいよ」と話しています。1人で歯科医院に来院した場合でも、保護者の方には後で手紙や電話で説明できる関係を築けていれば、お子さんにとっても来院が苦痛ではなくなり、最終的にお子さんが自分でアポイントを取るようになっていきます。このように、本人の心を育て、良好な関係性を築くことによって、多感な時期においても口腔ケアも続けられるのではないかと感じています。

最後に、今後注力していきたい取り組みについてお聞かせください

う蝕が減っていると前述しましたが、それは歯磨剤などの製品の改良、行政の健診体制、歯科医院による治療、メーカーの努力など様々なファクターによるもので、関係する皆様の取り組みの賜物だと思います。私は日本小児歯科学会の常務理事として、小児保健に関わる諸団体の協力体制のもと、引き続き現状の課題解決を目指していきたいと考えています。直近の目標として、5歳児健診の際の歯科健診の標準化に向けて取り組んでいます。5歳児健診は発達障害のスクリーニングだけではなく、歯磨きなどの正しい情報を提供し、就学に向けて支援をしていくという領域を発展させるうえで大事な時期です。子どもの時に身に付けた正しい生活習慣が、その人の一生に繋がります。そうした正しい情報や知識をお伝えしたいという思いを持って、小児歯科保健をより前に進めていきたいと考えています。

  • [写真] 院内の説明ツール②
    院内の説明ツール②
    6歳以上のお子さんには、「フッ素高滞留処方」を採用したフッ化物高濃度配合の歯磨剤の中から選んでいただく。
    • [写真] 歯ブラシ全体(6歳の場合は最低量(1.5cm)、身体の大きさに応じて2cm程度)に塗布
    • [写真] 歯ブラシ全体(6歳の場合は最低量(1.5cm)、身体の大きさに応じて2cm程度)に塗布
    歯磨きは就寝前を含めて1日2回行う。歯磨剤やジェルは、6歳~成人でフッ化物濃度1400~1500ppmFの場合、歯ブラシ全体(6歳の場合は最低量(1.5cm)、身体の大きさに応じて2cm程度)に塗布する。歯磨き後は、歯磨剤を軽くはき出し、うがいは少量の水で1回のみ行うことが推奨されている。

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