会員登録

198号 AUTUMN 目次を見る

記事の中でご紹介している製品は制作当時の内容になります。
現在は販売していない製品もございますのでご了承ください。

次世代を担う日本の歯科技工士を発掘「歯科技工登竜門2026」10 年ぶりに待望の復活開催

歯科技工士 株式会社小川製作所 齋藤 道拓/歯科技工士 合同会社 アップルデンタルラボ 安田 修平/歯科技工士 やまざき歯科医院 石川 航生/株式会社カロス 増田 長次郎/佐藤補綴研究室 佐藤 幸司/株式会社カスプデンタルサプライカナレテクニカルセンター 山田 和伸/i-Dental Lab 伊原 啓祐/株式会社S.T.F 藤松 剛

目 次

[写真] 2026年3月15日に行われた授賞式での一コマ
2026年3月15日に行われた授賞式での一コマ。左から審査員代表の佐藤幸司先生、受賞者の石川航生さん、齋藤道拓さん、安田修平さんの3名と、弊社代表取締役社長森田晴夫

モリタでは、次世代を担う日本の歯科技工士をバックアップする目的で、「テクニシャン発掘プロジェクト 歯科技工登竜門2026」を10年ぶりに開催いたしました。
今回の歯科技工登竜門では、“NEXT INNOVATION”をテーマに、歯科業界全体へイノベーションを創り出す歯科技工士の発掘と、日々多角的に技術研鑽を積まれている歯科技工士の技術価値創出の場として、「ポーセレンビルドアップ部門」「ジルコニアモノリシック部門」「CADデザイン部門」「3Dプリントデンチャー部門」の計4部門の応募エントリー枠を開設いたしました。
全国から26名の歯科技工士の皆様からエントリーがあり、一次審査としてモリタ内で書類選考が行われました。その後、2026年1月12日に、一次審査を通過した11名による二次審査(プレゼンテーション)が、MDSC OSAKA(Morita Digital Solution Center OSAKA)で開催されました。

歯科技工登竜門2026 受賞者

グランプリ該当者なし 審査員特別賞齋藤 道拓さん

部門賞

  • ・ポーセレンビルドアップ部門

    齋藤 道拓さん(株式会社小川製作所)

    演題名:「色調再現のアプローチ」

  • ・ジルコニアモノリシック部門

    安田 修平さん(合同会社アップルデンタルラボ)

    演題名:「デジタルティッシュスカルプティングを用いた接着ブリッジ症例」

  • ・CADデザイン部門

    該当者なし

  • ・3Dプリントデンチャー部門

    石川 航生さん(やまざき歯科医院)

    演題名:「カットバックを行わない3次元プリント有床義歯」

厳正な審査の結果、3名の受賞者が決定

二次審査では、5名の歯科技工士の審査員による、プレゼンテーション能力(資料作成能力/話術/写真表現力)、歯科技工技術(色調再現力/形態再現力)の計5項目50点満点【各項目10点】における評価が行われました。そして評価終了後、総評を実施した上で受賞者の選定が行われました。

歯科技工登竜門2026 受賞者

グランプリ該当者なし
審査員特別賞齋藤 道拓さん

部門賞

  • ・ポーセレンビルドアップ部門

    齋藤 道拓さん(株式会社小川製作所)

    演題名:「色調再現のアプローチ」

  • ・ジルコニアモノリシック部門

    安田 修平さん(合同会社アップルデンタルラボ)

    演題名:「デジタルティッシュスカルプティングを用いた接着ブリッジ症例」

  • ・CADデザイン部門

    該当者なし

  • ・3Dプリントデンチャー部門

    石川 航生さん(やまざき歯科医院)

    演題名:「カットバックを行わない3次元プリント有床義歯」

受賞者の皆様に、受賞の感想やプレゼンテーションの内容について伺いました。

[写真] 歯科技工士 株式会社小川製作所 齋藤 道拓さん

歯科技工士
株式会社小川製作所
齋藤 道拓さん

  • [写真] 受賞者の皆様
    齋藤さんは、ポーセレンビルドアップ部門の部門賞に加え、審査員特別賞も受賞された。
  • [写真] 講演内容の収録風景
    授賞式の当日には、「受賞者Webinar」の演者として、講演内容の収録が行われた。

歯科技工士として11年目になります。最初に勤務したラボでは、コンベンショナルな従来法をじっくり教わりました。そこで6年間お世話になった後に、現在のラボに転職しました。10年前、歯科技工士として駆け出しの頃に歯科技工登竜門に出品された作品を見て、「いつか私もこんな技術を持てるだろうか」と将来をイメージしたことを思い出します。多くの著名な歯科技工士の方が一度は通った道として、歯科技工登竜門は常に私の憧れでした。今回、10年ぶりの開催ということで、とてもありがたいと感じましたし、積み上げてきた技術を第三者に披露して評価していただく環境は、自分の道を拓いていくためにも、大切な機会だと思っています。
受賞の要因として、過去に一般大学でレポートやプレゼンテーションを数多く作成した経験から、その出来栄えを評価いただけたのではないかと感じています。内容については、私がこれまでセミナーのアシスタントを務めてきた湯浅直人先生考案の「画像合成試適」の技術を使うことによって、1回で口腔内にセットできる精度の補綴物を普遍的に提供できることをお伝えすべく、自分なりに試行錯誤した結果をプレゼンテーションに組み込みました。色合わせでお悩みの方の参考になれば嬉しく思います。
近年、歯科技工士の減少が叫ばれています。とは言え、人の手を加えないとフィニッシュできない部分も大いに残されており、今後も必要とされる職種であると思っています。私の場合は色調再現が付加価値でもありますが、その部分を突き詰めて研鑽を積んでいくことが、自分のためにもなると思って日々取り組んでいます。今は、ただ漫然と歯科技工士を続けていても、将来を見出せないフェーズに来ていると思います。正直、私自身は業界全体を見ているというより、自分が生き残るために模索しているというのが現状です。しかし、そうした目的意識を持つ歯科技工士が増えていくことで、業界全体のボトムアップに繋がっていくのではないかと感じています。

[写真] 歯科技工士 合同会社アップルデンタルラボ 安田 修平さん

歯科技工士
合同会社
アップルデンタルラボ
安田 修平さん

系列医院のアップル歯科クリニックで臨床指導医をされている林大智先生にお声がけいただき、歯科技工登竜門への参加を決めました。若手歯科技工士が挑戦できる場として、とても良い機会だとありがたく思っています。
プレゼンテーションのスライドの内容については、接着や手技の部分でそれほど浸透していない治療法をテーマに、勤務医の先生とタッグを組んだ症例を選択しました。補綴物の形態が自分が想定しているものとは全く違っていて、それをデジタル化して設計する際に、資料を見ながら進めていくのですが、果たしてこの方法で合っているのか、常に疑問に感じながら製作していました。ただ、最終的にはうまくできたと感じています。接着ステップについても、先生と打ち合わせを重ねながら、見せ方やポイントを熟考し、伝わりやすいプレゼンテーションの作成を心がけました。このプレゼンテーションの機会を得たことで、手技の詳細やマテリアルの特性など、普段の臨床以上に深く考え、検証しながら進められたことは大きな収穫でした。
ちなみに、私はデジタル技工に本格的に取り組んで2年ほどになります。それまでの8年弱はアナログ技工を中心に行ってきました。現段階では、全ての技工作業をデジタルのみで完成させることは難しく、必ずどこかで人の手が必要になります。その際に、これまでのアナログの経験がとても役立っていると感じます。
今後、デジタル化やDX化が進んでいく中で、現在院内ラボで製作している補綴物のうち、6, 7割がデジタル技工にシフトしています。従って、アナログ技工の知識や技術に加えて、デジタル技工の知識をインプットしていく姿勢は必須になりますし、歯科医師の先生方と対等に向き合っていくためにも、知識のアップデートは欠かせないと思っています。
今後は、1歯1歯のクラウンの精度を高めていくことはもちろんですが、口腔内全体を見た包括的な治療に対応できる診断力も磨きながら、歯科医師の先生方から求められる歯科技工士を目指していきたいです。

[写真] 歯科技工士 やまざき歯科医院 石川 航生さん

歯科技工士
やまざき歯科医院
石川 航生さん

歯科技工登竜門のような歯科技工士発掘のイベントを開催してくださることで、歯科技工士としての楽しさややりがいを感じることができ、とても感謝しています。受賞については、率直に嬉しかったです。患者さんや院長先生、サポートしてくれた歯科助手さんと共にいただいた賞です。皆さんに感謝の意を伝えたいと思います。
現在、3Dプリンターを活用したデジタルデンチャーの製作がそれほど普及していない中で、当院ではこれまで多くの症例を経験することができました。その結果、精度や強度を出すためのノウハウはかなり蓄積できていて、その部分が今回のプレゼンテーションで評価していただけたのではないかと感じています。
デジタルデンチャーの製作には、アナログの知識に加えて、印象・バイト、さらにスキャナーの選択が大切です。プレゼンテーションでは、これから3Dプリントデンチャーの製作に取り組もうという方や、すでに取り組んでいるけど上手くできない方に、製作のポイントや優位性が伝わるかを考えながら作成しました。
私は歯科技工士になって以来、アナログ技工を行った経験がありません。デジタルデンチャーの製作に取り組む際には、排列ポジションやAngleの分類に関する知識が必要になります。それらの知識は、セミナーや所属する学会の先輩方にお聞きしたり、著名な先生方の書籍を読むなどして学んできました。それでも解決しない疑問があれば、院長の山崎史晃先生に伺うようにしています。
「継続は力なり」という言葉がありますが、何でもすぐに上手になれるわけではありません。日々多くの症例を経験していく中で、少しずつ成功体験を増やしていければいいと考えています。私自身、歯科技工士を辞めたいと思うことは何度もありましたが、「〇年後にこうなっていたい」という明確な目標を持つことで、挫折せず乗り越えてきました。若い歯科技工士の皆さんや、これから歯科技工士を目指す学生の皆さんも、諦めることなくチャレンジを続けて欲しいと思います。

この記事はモリタ友の会会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

残り 2883 文字

モリタ友の会有料会員に登録する ログインする

同じ筆者の記事を探す
【 伊原 啓祐 】

モリタ友の会会員限定記事

同じ筆者の記事を探す
【 佐藤 幸司 】

モリタ友の会会員限定記事

同じ筆者の記事を探す
【 石川 航生 】

モリタ友の会会員限定記事

同じ筆者の記事を探す
【 山田 和伸 】

モリタ友の会会員限定記事

同じ筆者の記事を探す
【 増田 長次郎 】

モリタ友の会会員限定記事

目 次

モリタ友の会会員限定記事

他の記事を探す

モリタ友の会

セミナー情報

セミナー検索はこちら

会員登録した方のみ、
限定コンテンツ・サービスが無料で利用可能

  • digitalDO internet ONLINE CATALOG
  • Dental Life Design
  • One To One Club
  • pd style

オンラインカタログでの製品の価格チェックやすべての記事の閲覧、臨床や経営に役立つメールマガジンを受け取ることができます。

商品のモニター参加や、新製品・優良品のご提供、セミナー優待割引のある、もっとお得な有料会員サービスもあります。