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198号 AUTUMN 目次を見る

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Interview

辞めない歯科衛生士を育てるために一人ひとりに合わせた、きめ細やかなアドバイスやサポートが大切

株式会社COCO DentMedical 代表取締役 石原 美樹

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目 次

  • [写真] 株式会社COCO DentMedical 代表取締役 石原 美樹
    株式会社COCO DentMedical
    代表取締役 石原 美樹

「治せる歯科衛生士を育てる」を目標に掲げ、長年スタッフ教育や医院のシステム構築に尽力されてきた歯科衛生士の石原美樹さんに、開始から20年を迎えた「SRPセミナー」への思いや歯科衛生士定着のヒントなどをテーマに、お話を伺いました。

モリタ友の会主催のSRPセミナーを開催して20年になりました

モリタ友の会セミナーは、最初にDHフォーラムの講師としてお声がけいただき、それがご縁でSRPのコースを任せていただくようになったのがきっかけです。SRPの技術セミナーは少人数で行うことが多く、本来はマンツーマン方式が理想です。近年そうしたセミナーは増えているとはいえ、毎年輩出される全ての新人歯科衛生士はとても賄えていないのが現状です。そのため、多くの歯科衛生士は自己流、あるいは勤務する歯科医院の先輩に教えてもらうスタイルが一般的です。結果として、本当の意味で歯周治療を治せる歯科衛生士が増えていかないのも、ある意味仕方のないことなのかもしれません。そんな中で、まだまだフリーランスになったばかりで力不足の私に、モリタさんがSRPセミナーを任せてくださったことは、本当に感謝の一言に尽きます。やはり自分が大事だと思うことを、芯を通して伝えていきたいですし、モリタスタッフの皆さんが、それをしっかりサポートしてくださっているので、今後も可能な限り続けていきたいと思っています。セミナーでは、一人ひとり丁寧に見ているつもりですので、ブラッシュアップを加えながら、少しでも多くの方に臨床で役立つ内容を提供できればと思っています。

SRPセミナーを始めた当時と変化があるとすればどんなところでしょう

当時、歯科衛生士の専門技術といえば歯周治療でしたが、現在は矯正治療や小児歯科、訪問歯科診療など、カテゴリーが分化してきて、以前よりSRPの技術は必要とされなくなっている部分もあると思います。しかし、一般歯科に勤務するなら、いざというときにSRPが的確にできる技術を持っているのと持っていないのでは、大きな差があると感じます。歯科医院が口腔疾患の最後の砦と考えた時に、やはり「歯周病を治せる人材」は、今後しっかりと育てていく必要があると考えています。使用する器材の性能がこれまで以上に良くなり、さらに予防管理できる人材が増えたとしても、一方でSRPを必要とする方が一人でもいらっしゃる限り、歯周治療の専門家としての歯科衛生士の存在は大きいと思っています。

  • [写真] SRPグレードアップコースを行う石原衛生士
    「SRPグレードアップコース」において、受講者は、事前にWEB配信による講義を視聴し、その後2日間では、口腔内を12の部位に分けて、一つひとつ丁寧に手技を学んでいく。
  • [写真] 1つの部位の説明が終わると、受講者全員が石原衛生士の周りに集まり、デモンストレーションを見学する
    1つの部位の説明が終わると、受講者全員が石原衛生士の周りに集まり、デモンストレーションを見学する。
  • [写真] 石原衛生士の手技を間近で見学する受講者
    受講者にとっては、高い技術を持つ石原衛生士の手技を間近で見学できる貴重な機会。

若い歯科衛生士さんがなかなか定着しないという声を聞くことがあります

新人歯科衛生士にとって、同じ歯科医院で勤務する先輩スタッフが「未来の自分の姿」です。その先輩が楽しくなさそうに働いていれば、新人スタッフの将来も楽しくない可能性が高いと思います。ですから、現在勤務している歯科衛生士の皆さんが、十二分に力を発揮し、楽しい職場であることが、新たに入職する人にとって魅力的な職場に映ると思うんですね。もちろん新人教育のマニュアルを整備、充実させることも大事ですが、今いるスタッフがどうして働きづらいのか、なぜ笑顔で働けないのか、どんな不満があるのかなどに目を配り、それを解決できれば、結果として新人採用や辞めない歯科衛生士を育てることにも繋がっていくと思います。時代と共に、忍耐力もなくなっていきますし、働き方改革で時間外の勉強が難しくなってきています。研修に行けば、振替休日を取得しなければなりません。そうした近年の事情も複雑に絡んできますから、人材育成に時間がかかるのは、ある意味当然です。限られた時間の中で、もともと価値観が育っていない新人に教育する難しさを、院長先生にはぜひご理解いただきたいと思います。伸びる時期やスピードは人によって様々ですから、一人ひとりに合わせたアドバイスやサポートを心がけないと、今はすぐ辞めてしまう人が多いと思います。

そのような場合、どんなアドバイスやサポートが有効でしょうか

特別なことは必要ありませんが、頑張っている人には頑張っていると評価してあげることです。あとは失敗を恐れないこと。医療現場での失敗は許されない場合もありますが、「失敗なくして成長なし」と私は常々考えています。失敗を責めるのではなく、どうしてその失敗が起きたのか、今後どうすればそれを回避できるのかをきちんと理解させてから次に挑む。それでも同じ失敗をおかしてしまうことは山ほどあると思います。それに対して、平常心で威圧感なく、根気強く対応できるかが大切だと思います。院長先生の威厳は時には必要ですが、スタッフが萎縮してしまうような威厳だと、意識が患者さんに向かないで、「院長が怒らないようにするためにどうすればいいか」ばかりを考えるスタッフが育ってしまいます。そうなると仕事のベクトルが間違った方向に向いてしまって、スタッフは楽しくないわけです。また、それを見ている新人ももちろん楽しくないので辞めていく。そうした悪循環に陥ってしまいます。今いるスタッフが、楽しんで仕事している医院のスタッフはなかなか辞めませんし、楽しく仕事しているスタッフは、その楽しさを新人スタッフに伝えられますよね。仕事なので楽しいことばかりではありません。楽しくなるまでに乗り越えなければならないハードルは、プロフェッショナルなので、もちろんあります。でも、その先に「こんな楽しそうにしてる人たちがいるんだ」という未来を見せてあげることは、とても大事なことではないでしょうか。

石原歯科衛生士の今後の目標をお聞かせください

日本では女性初の総理大臣が誕生するなど、近年女性の立場が大きく変わってきていることを肌で感じます。これからは、歯科衛生士も歯科医師の指示のもとではありますが、有資格者として業務を進める上で、自分の考えをしっかり持ってほしいですし、そんな歯科衛生士を育てていきたいと思っています。特に歯周治療や予防処置においては、歯科衛生士として確固たる考えを持って、歯科医師と同じ立ち位置で話せる人材を育てていきたいと思っています。

  • [写真] 石原衛生士から直接指導を受ける受講者
    目と耳で学んだ後、実際に手を動かして技術を身につけていく。少人数制なので、石原衛生士から直接指導を受けることができる。
  • [写真] サブ講師としてサポートにつかれていたCOCO DentMedicalの佐藤徹子衛生士
    本セミナーには、COCO DentMedicalの佐藤徹子衛生士がサブ講師としてサポートにつかれていた。
  • [写真] セミナー中に終始熱心にメモを取る受講者
    セミナー中は終始熱心にメモを取る受講者の姿が見られた。

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